小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」6月9日(金)~世間に転がる意味不明 データは人生であり、墓碑銘である https://t.co/PHXvY5JCf7— 鶴澤寛也(女流義太夫三味線) (@kanyajogi) 2017年6月8日
(略)
何が隠れているのであれ、隠れていないのであれ、この半年ほどの国会答弁を眺めていて、とにもかくにも異様な印象を抱かせられるのは、政権の幹部ならびに関係省庁の官僚たちが、野党からの質問に対して、ほとんどまったく誠実な回答を提供する意思を見せていない点についてだ。
手続き上の不正や資金疑惑や税金の無駄づかいが実際にあるのかどうかとは別に、私は、現政権の最も大きな罪は、国会を愚劣な言葉がやりとりされる場所に変貌させてしまったことだと考えている。この点に限っていえば、安倍政権は、私が60年の間に見てきたどの政権よりも悪質だ。
菅義偉官房長官は、加計学園の認可に関連して、「総理の強いご意向」を示唆する文書の存在が報道された時、その文書について
「まったく怪文書みたいな文書」
という言葉で論評して、最後までマトモに取り合わなかった。
文科省の前次官が、実名顔出しで、当該の文書の真実性を証言すると、今度は
「貧困問題のために出会い系バーに出入りし、且(か)つ女性に小遣いを渡したということでありますが、さすがに強い違和感を覚えましたし、多くの方もそうだったんじゃないでしょうか。常識的に、教育行政の最高の責任者がそうした店に出入りし、小遣いを渡すようなことは到底考えられない」
「自ら辞める意向を全く示さず、地位に恋々としがみついておりました」
と、文書の内容には触れず、もっぱら証言した前川前次官の人格を攻撃する言葉を並べ立ている。
さらに、朝日新聞の取材に答えて、文科省の現役職員が、当該の文書が省内の複数の部署で「共有されていた」旨を証言すると、これに対しては、松野文科相が、
「出どころが明確になれば、調査に関して対応を検討したい」
という意味の回答をしている。
普通の理路で考えれば、出どころが明確になっていないからこそ、調査しなければならないと思うはずなのだが、松野文科相の言い方だと
「わからないから調査しない」
という謎のような話になってしまう。
まるで、空腹だから食べたくないみたいな話だ。
政権まわりの人々のこれらの回答は、はじめから答えるつもりを持っていない人間のしゃべり方で、報道や野党の質問にその都度答えている言葉も、とりあえず、その場をしのいでみせているレトリックに過ぎない。
ここまで不誠実な回答を繰り返す背景には何があるのだろう。
「血の一滴」であるデータをあっさり消してしまおうとする財務省の行動を見ていると、この人達って「不都合になったら、消去すればいい」くらいに思っているんじゃないか、とさえ思えてくる。
くわばらくわばら。
(文・イラスト/小田嶋 隆)
1 件のコメント:
全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎
昔メディアが「カップラーメンの値段ガ~」って自民党叩いて政権交代起きたけど、僕たちはそこから何を学んだんだ?それとも何も学ばなかったのか?
韓国べったりのメディア、中国べったり、反社会勢力べったりのメディアがある中で、自民叩き一色に染まったらメディアは悪用されるだけだ。政権交代がそれを教えてくれた。
全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎
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