2013年10月20日日曜日

シリコンバレー、貧富の差拡大…米の縮図に(読売新聞) サンノゼ市のホームレス人口は、2年前に比べて2割増の4770人

読売新聞
シリコンバレー、貧富の差拡大…米の縮図に

 IT(情報技術)企業が集積する米カリフォルニア州シリコンバレーで、ホームレスが急増している。

 現地にある全米最大のホームレス村は、家族で住む人たちも多く、子供や若者の姿も目に付く。急増の背景には住宅価格の高騰と、賃金格差の拡大がある。IT企業で高収入を得る者と、仕事があっても家には住めない者とが共存する現状は、貧富の格差が広がる米国の縮図となっている。

 サンフランシスコの南から、約80キロ・メートル南下したシリコンバレーの中心部、サンノゼ市までの地域は、アップルやグーグル、インテルなど世界的なIT企業が本社を置き、ベンチャー企業も数多く集まる。グーグルの創業者、ラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)や、ソフトウエア大手オラクルのラリー・エリソンCEOなど、世界の長者番付に名前を連ねる富裕層も周辺に邸宅を構える。

 リーマン・ショック後の景気回復が鮮明になるなか、人口約98万人を抱えるサンノゼ市のホームレス人口は、2年前に比べて2割増の4770人に増えた。

 同市南部の巨大なショッピングセンターに近い森の中にあるのが、全米最大とされるホームレス村「ジャングル」だ。小川に沿い、掘っ立て小屋やテントが点在、数百人が生活する。最近住み始めたジュナー・レンドンさん(33)の「家」は、木の切れ端やブルーシートで作った2畳ほどの小屋。中には古布が敷き詰められ意外と暖かい。

 「家賃が払えなくなってここへ来た。商売をしていた人たちも、採算が合わなくてみんな店を閉めたわ」。恋人とテントで暮らすヨランダ・グティエレさん(39)はサンノゼの生まれだ。役所で働いていたが体を壊して辞めた。恋人も仕事がなく、1年前、「ジャングル」へ逃げ込んだ。

(2013年10月20日08時54分  読売新聞)

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