東京新聞
【特定秘密保護法案】
<ウォッチ>「国家の安全に優先せず」 「法案批判は放送法違反」
2013年11月10日
「知る権利」が国家の安全に優先するとの考えは間違い。法案に批判的なテレビキャスター発言は放送法違反-。特定秘密保護法案をめぐり、自民党の閣僚経験者や政権幹部から、国民の知る権利や報道の自由を軽視するかのような発言が続いている。法案は知る権利と報道・取材の自由に十分配慮すると規定しているが「うわべだけのものだ」との声も上がる。
自民党の特定秘密保護法案に関するプロジェクトチーム座長を務める町村信孝元外相は、八日の衆院国家安全保障特別委員会で「(知る権利が)国家や国民の安全に優先するという考え方は基本的に間違いがある」と発言。「『知る権利は担保しました、しかし個人の生存が担保できません、国家の存立が確保できません』というのは、全く逆転した議論ではないか」とも述べた。
一方、小池百合子元防衛相は十月二十八日の衆院特別委で、首相の一日の行動を報道する首相動静について「知る権利(の範囲)を超えているのではないか」との認識を示した。「知る権利もあるが、何を知り、何を伝えてはいけないかを精査してほしい」と求めたが、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「(首相動静は)特定秘密には当たらない」と火消しに走った。
短文投稿サイト「ツイッター」で盛んにつぶやいているのは、法案を担当する礒崎陽輔首相補佐官。十一月七日にはテレビ報道をめぐり「こういう法案にはファイティングポーズをとらなければならないということなのだろうが、放送の中立性を侵せば、放送法違反だ」「キャスターが『廃案にさせなければならない』と明確に言った。明らかに放送法に規定する中立義務違反の発言だ」と投稿した。
今国会での法案成立を目指す安倍晋三首相は衆院本会議で「国民の知る権利や報道の自由への配慮も重要と認識している。適切に対応する」と述べた。
しかし、山口二郎北海道大教授(政治学)は、自民党が七月にTBSの取材を一時拒否したことも挙げながら「安倍政権になってメディアに対するけん制、威嚇はずっと続いており、元閣僚らの発言はその一端だ。配慮規定はうわべだけのソフトな言葉を入れ、法の有害さを隠しているにすぎない」と指摘した。
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