2014年1月17日金曜日

大航海時代、邦人初の海外婚…ポルトガルに記録 (読売新聞)

読売新聞
大航海時代、邦人初の海外婚…ポルトガルに記録

 大航海時代の1573年、元奴隷の日本人同士がポルトガルの教会で結婚式を挙げた記録を、東大史料編纂へんさん所の岡美穂子助教(日欧交渉史)の研究グループがリスボンの国立文書館で発見した。

 日本では室町幕府が滅びた戦乱期。別の日本人3人の婚姻記録も見つかり、43年の鉄砲伝来以降、多くの日本人が渡欧していたことが確認されたとともに、一部は、当時栄華を誇った港湾都市で市民として認められていたと推測される。

 初期に渡欧した日本人では、九州のキリシタン大名が82年に少年をローマに派遣した天正遣欧使節が知られる。それに先駆け、53年にフランシスコ・ザビエルに洗礼を受けた初の日本人(洗礼名・ベルナルド)がリスボンに留学したとされる。

 今回発見されたのは、リスボンの教会に残った73年2月5日の記録。共にジャポネス(日本人)の夫ギリェルメ・ブランダオン(洗礼名)と妻ジャシンタ・デ・サ(同)が、神父、証人の立ち会いの下、婚姻を教会に承認された、と記されていた。

 さらに、別の教会の記録では、解放奴隷の日本人男性が86年に奴隷で国籍不明の女性と結婚。自由民と記された日本人男性2人が、それぞれ93年と95年に自由民のポルトガル人女性と結婚していた。

 岡助教によると、当時の奴隷は、年季奉公のように拘束期限が定められ、年季明け、もしくは金銭を支払うことで解放されたとみられる。居住地が変わらなければ、死亡や、子の出生も教会の記録に残るが、全員残っていなかった。転居したか、16世紀末にリスボンで猛威をふるったペストで病死し、記録されず集団埋葬されたとも考えられる。

 スペインやポルトガルは16世紀後半、東南アジアで日本人を含む奴隷貿易を行っており、今回発見の日本人もその一環で欧州に運ばれたとみられるという。ただ、81年にリスボン発インド行きの船に日本人船員がいた別の記録もある。

 ポルトガル人の同国立エヴォラ大のルシオ・デ・ソウザ特別研究員(大航海時代史)は「大航海時代を牽引けんいんしたポルトガルで地元女性と結婚できたのなら、自由民の日本人2人は、奴隷出身ではないかもしれない。別の形でリスボンを訪れ、資産があったなど社会的評価を受けた市民だった可能性もある」としている。

(2014年1月16日16時51分  読売新聞)

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