2014年4月7日月曜日

40~64歳の介護保険料 なぜ5000円突破? (東京新聞 【経済Q&A】)

東京新聞 【経済Q&A】
40~64歳の介護保険料 なぜ5000円突破?    
2014年4月3日

 四十~六十四歳の人が毎月払う介護保険料が、二〇一四年度に初めて一人当たり月額五千円を超える見通しになった。どうして、負担が重くなるのか。

 Q 保険料はどうなるのか。

 A 厚生労働省の推計によると、一四年度の見込み額は月五千二百七十三円になり、〇〇年度に介護保険制度が始まって以来、初めて五千円を突破した。〇〇年度が二千七十五円だったことを考えると、十四年間で二・五倍にはね上がった計算になる。

 Q なぜそんなに増えたの。

 A 介護が必要な高齢者が増え、介護に掛かる費用が膨らんでいるのに、負担する現役世代が減っていることが原因だ。
 介護に掛かる費用は、サービス利用者が払う自己負担分と、介護給付費で賄われる。介護給付費の財源構成は、公費すなわち税金と保険料が半分ずつ。保険料の部分は、一四年度は六十五歳以上が21%、四十~六十四歳が29%を負担する。
 具体的には、介護予防事業費を含め一四年度に必要な介護給付費は九兆三千三十一億円と過去最高が見込まれる。この29%分を四十~六十四歳が賄わなければならないが、この世代の人口が減っているため、一人当たりの負担が重くなる。

 Q 六十五歳以上の人は?

 A 六十五歳以上の保険料は三年に一度見直される仕組みで、一二~一四年度は一人当たりの全国平均が月額四千九百七十二円。一五~一七年度の保険料は一四年度中に各自治体が決めるが、こちらも五千円を超える可能性が高い。
 政府は、現在は一割となっている介護サービス利用料の自己負担を、一定以上の所得がある人は二割に引き上げる法案を国会に提出している。法案が成立すれば一五年度から実施予定で、ダブルの負担増を抱える高齢者世帯も出そうだ。

 Q 増えすぎるのは困るね。

 A 四十~六十四歳の場合、全員が負担増になるとは限らない。保険料は本人と、その人が入る健康保険組合が原則折半するので、一四年度の一人当たり見込み額で単純計算すると、月二千六百三十七円になる。ただし財政にゆとりがあるなら、健保組合側が多く拠出する場合もある。また、六十五歳以上の場合に政府は低所得者の保険料を軽減する策も打ち出している。
 しかし、介護給付費の増加傾向は今後も続く。政府は、介護サービスの質と量を見直す考えだ。

 Q 具体的には?

 A 高齢者の見守りや生活支援、介護の必要な度合いが低い「要支援1、2」の訪問介護、通所介護を、市町村の事業に移し、既存の介護事業者に加えてボランティアやNPOも参入できるようにする。
 介護給付費を抑制する対策として、特別養護老人ホームへの入所を要介護3以上の人と限定し、特養にいる低所得者への食費補助なども縮小する考えだ。


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