2015年1月9日金曜日

公立保育園 非正規44.7% 明星大教授 都内の職員割合調査 (東京新聞)

東京新聞
公立保育園 非正規44.7% 明星大教授 都内の職員割合調査    
2015年1月9日 朝刊

 東京都内の公立保育園で働く非正規職員の割合が約45%に上ることが八日、明星大の垣内国光教授が自治体などに行ったアンケートで分かった。垣内教授は「非正規雇用が進んで労働条件が悪化し、専門性を発揮できる条件が失われつつある」と話す。

 垣内教授は都内の六十二の全自治体に、公立保育園の非正規職員の割合などをアンケート。九区二市では東京自治労連の協力で、非正規職員に待遇などを聞いた。

 全自治体の半数に当たる十三区と十八市村から回答があり、非正規の割合は平均で44・7%。区部は41・8%、市と村は57・6%だった。非正規が五割台の自治体が八、六割台が三つ、七割を超える自治体も一つあった。

 賃金は月給で支給されている人の83・5%が二十万円未満。年収では二百万円未満が81・7%を占め、垣内教授の試算によると平均年収は約百二十一万円になるという。他の仕事を掛け持ちしている人は20・4%いた。

 非正規を選んだ理由で最も多かったのは「自分の都合の良い時間や日数で働ける」(35・4%)。「正規職員になることが難しいから」と、やむを得ず非正規を選択した人は25%だった。

 仕事上では、32・6%が「非正規にはほとんど情報が与えられない」と情報共有の不足を訴えた。「園児のことなどをもっと教えてほしい」「正規職員と話し合う機会がほしい」という声が目立った。

 墨田区の保育園で非常勤保育士として働く三井文代さん(47)は「子供と接するのは好きなので、雇用が継続するかどうか毎日不安」と話す。垣内教授は「保育者同士が語り合うことで専門性も高まるのに、分断されて個別的な労働が進んでいる」とした。

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