2015年1月9日金曜日

「戦」の「後」であり続けるために 「渡辺一夫の声が聞こえる」(大江健三郎) 「平和と正義という目標を見失うことなく」(ジョン・W・ダワー)

2015年元日の『朝日新聞』朝刊での岩波書店の広告
「戦」の「後」であり続けるために

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《真に偉大な事業は、「狂氣」に捕えられやすい人間であることを人一倍自覚した人間的な人間によって、誠実に執拗に地道になされるものです》

《そして、冷静とは非行動と同一ではありませぬ。
最も人間的な行動の原因となるものです。
但し、錯誤せぬとはかぎりません。
しかし、常に「病患」を己の自然の姿と考えて、進むでありましょう。》

・・・渡辺一夫『フランスルネサンス斷章』より

(渡辺一夫の声が聞こえる 大江健三郎)


この危うい時代に新年を迎えるにあたって、真摯で責任ある批判的学問の伝統が、平和と正義という目標を見失うことなく、理想主義の必要性と実際性への信念を失うことなく、世界中で栄えていきますようにと、心から願います。


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