2015年11月8日日曜日

「文学部不要論」を論破する (立花隆 『文学界』) : 「文学部は不要なの?」反発がおさまらない 立花隆さん、「日本はいずれ滅びます」— J-CASTニュース / 巨大な産業のエネルギーを生む若者を育てるには、国の思惑とは遠く離れた人間が生きられる場をつくるほかない――。鈴木幸一・インターネットイニシアティブ(IIJ)会長が、かの「文学界」の特集でこんな指摘をしている。大学の社会的な役割は即戦力養成だと思い込む文科省には、意味が伝わらぬかもしれない。(日経新聞 春秋)



日経新聞 春秋
2015/11/8付

 純文学の月刊誌「文学界」が文部科学省にかみついている。最新号の特集は「『文学部不要論』を論破する」。こうした雑誌らしからぬ企画だが、文科省が国立大に対し、文系学部の改廃を求めた通知がアタマにきているようだ。この要請への世の反発はいよいよ強い。

▼「教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院は組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に取り組んでほしい」。6月に出た文書は、普通に読めば文学部も法学部も経済学部も、すぐには役立たないから不要と解釈できる内容だ。ブーイングが噴出し、経団連からも産業界の意向ではない、と突き放された。

▼「『廃止』の対象は教員養成系のうち一部のコースだ」「組織や教育内容の見直しをお願いしているだけ」。通知が誤解を招く文章だったと釈明に躍起の文科省だが、ならば潔く撤回すればいい。国語の教員だった馳浩大臣によれば「あの文章は32点くらい」。そんな不出来なものをいつまで国民の前にさらしておくのか。

▼巨大な産業のエネルギーを生む若者を育てるには、国の思惑とは遠く離れた人間が生きられる場をつくるほかない――。鈴木幸一・インターネットイニシアティブ(IIJ)会長が、かの「文学界」の特集でこんな指摘をしている。大学の社会的な役割は即戦力養成だと思い込む文科省には、意味が伝わらぬかもしれない。


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