2013年2月19日火曜日

このままでは司法の殺人だー名張毒ぶどう酒事件の映画「約束」主演の仲代達矢さん

サンスポ 2013.2.16 20:52
仲代達矢「名張毒ぶどう酒事件」えん罪主張

 俳優、仲代達矢(80)が16日、東京・渋谷ユーロスペースで、主演映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」(齊藤潤一監督)の初日舞台あいさつを行った。

 1961年の三重・名張毒ぶどう酒事件の犯人として死刑宣告を受け、いまもなお獄中で無罪を主張している奥西勝さん(86)を描く作品。

 仲代は「私はえん罪と信じています。もし、このまま奥西さんが亡くなったら、司法が殺人者になると思っています」と語気を強め、役者人生をかけても無罪を主張する覚悟を見せた。

YAHOOニュース
名優・仲代達矢、死刑囚役に臨んだ覚悟…「役ではなく個人の実感で」
産経新聞 2月16日(土)8時3分配信

 日本を代表する名優、仲代達矢(80)が実録映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」(斉藤潤一監督)で死刑囚役を熱演している。「まだ生きている人物を演じるわけだから、慎重にならざるを得ない。役者としての演技をしないように、個人の実感として演じた」と役に臨んだ覚悟を語った。(市川雄二)

 仲代は平成22年、東海テレビの名物ドキュメンタリー「司法シリーズ」の一つ、「毒とひまわり~名張毒ぶどう酒事件の半世紀~」のナレーションを担当した。その縁から、同シリーズの阿武野(あぶの)勝彦プロデューサー(53)と斉藤監督(45)のコンビが白羽の矢を立てた。今回はドキュメンタリードラマだ。しかし、仲代は当初、出演依頼を退けた。

 「テレビで再現ドラマをよく見ますが、嘘っぽい。だから、初めはお断りしたんです」

 事件の資料を読み込み、検討を重ねた。「実際に獄舎につながれ、司法では死刑だと断定しているのを無実だといって、ドラマに参加するのは役者にとって決心のいること。しかし、基本的には疑わしきは罰せずです。無罪を信じて出ることに決めました」

 昭和36年、三重県名張市の村の懇親会で、ぶどう酒を飲んだ5人の女性が死亡した。奥西勝元被告(87)は犯行を自白するが、逮捕後、一貫して「警察に自白を強要された」と主張してきた。「事件が起きたとき、私は29歳。世間は大騒ぎでした。5人も亡くなったわけだから死刑も当然だろうと、私も含めて普通の人はみていた」と仲代。

 1審は無罪だったが、2審で死刑判決。47年に最高裁で死刑が確定した。戦後唯一、無罪からの逆転死刑判決だった。事件から52年間、再審請求と取り消しが繰り返されてきた。今作はその過程を再現ドラマにし、実際のドキュメンタリー映像を交えている。

 「奥西さんにお会いしたこともなく、若い頃の写真しか見ていない。最終的には、私が奥西さんの立場に立ったらどうなるかを想像するしかなかった」

 食事の場面がたびたび出てくる。昭和63年の正月、獄中でもささやかながら特別な献立が並んだ。数の子や黒豆を口にしながら、仲代演じる奥西は喜びの声を上げる。「死刑囚というと常に暗い顔をしてなきゃならないイメージがある。でも、人間って明日死のうと思ってもうれしいときは笑う。だから楽しそうに食おうと思ってました。お母さんとの絆も(劇中で鼻歌を歌う)『岸壁の母』につながると思うし、実感を込めてやったつもりです」

 息子の無実を信じる母親のタツノ役に樹木希林(70)、ナレーションは寺島しのぶ(40)。

 16日から、東京・渋谷のユーロスペースなどで全国順次公開。

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このままでは司法の殺人だー名張毒ぶどう酒事件の映画「約束」主演の仲代達矢さん
江川 紹子 | ジャーナリスト     
2013年2月18日 21時20分











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