2013年4月24日水曜日

党首討論 安倍首相のドヤ顔「景気指標」は口からデマカセだった

ネタりか
安倍首相のドヤ顔「景気指標」は口からデマカセだった
大追跡2013/4/22 07:00 - 日刊ゲンダイ
「たった3カ月で4万人の雇用をつくった」「パートタイマーの時給は1時間17円と、プラスに転じた」――。就任後初の党首討論で、安倍首相が矢継ぎ早に「好調な経済指標」を並べ立てた。ドヤ顔でそらんじた数字を裏付けようと、各省庁の統計をくまなくあたったが、なぜか全く見つからないデータが存在する。

 国会の安倍事務所に確認すると、「いちいち、事務所が発言の根拠を把握してるわけがない」とつれない答え。最後は「オタクが調べればいいじゃないですか!」と逆ギレする始末だった。

 とにかく裏が取れないのが冒頭の2つ。各省庁の経済指標の担当部署に聞いても「見当たりません」(総務省統計局)、「思い当たるところはない」(厚労省雇用・賃金福祉統計課)とクビをひねるばかり。

 途方に暮れていると、厚労省の労使関係参事官室から「パート時給は、連合の春闘用データではないか」と耳寄り情報が寄せられた。確かに連合のプレスリリース(4月2日付)には〈非正規労働者賃金引き上げ〉として、〈引き上げ幅17.16円〉とあった。

 なるほど、政府統計では見つからないわけだが、よく読むと、同じ連合の統計では昨年もパート時給は15.84円増えている。安倍は「パート時給はズ~ッと下がり続けてきたが、初めてプラスに転じた」と言って“オレ様のおかげ”と強調したが、嘘っぱちなのだ。

<裏も取らずにタレ流される恐ろしさ>

 党首討論で2度持ち出した「4万人雇用」も、いかがわしい。総理秘書官室は「厚労省発表の『新規求人数』が、約3.6万人増えたことに基づいている」と説明した。所管する厚労省雇用政策課の担当者は「一般論として求人数はあくまで求人の数。それが雇用につながったかは分からない。雇用と言うなら雇用者数じゃないか」と言う。実際、厚労省の「毎月勤労統計調査」を見ると、常用雇用者数は逆に「3カ月で約28万人も減っている」のだ。

 安倍はこの新規求人数の増加を挙げて「(民主党政権が)3年3カ月で全くできなかったことをやった」と自慢したが、新規求人数は民主党政権下でも右肩上がり。震災直後の11年4~6月にかけては「3カ月で約5万人増」だった。

 確信犯のいいとこ取りなのか、にわか仕込みのウロ覚えだったのかは知らないが、安倍の“ドヤ顔指標”は明らかにデマカセだ。それを裏も取らずにタレ流す大マスコミも、いかれている。

 安倍が発言すれば「黒でも白になる」というムードが蔓延しているのなら、本当にこの国は危ない。





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