2013年7月19日金曜日

選挙前に読んでおきたい。 ジブリ宮崎駿監督がミニコミ誌で「改憲反対」のなぜ(日刊ゲンダイ) 「改憲 もってのほか」 宮崎駿監督 いま声を大に(東京新聞)

YAHOOニュース
ジブリ宮崎駿監督がミニコミ誌で「改憲反対」のなぜ
日刊ゲンダイ 7月17日(水)10時26分配信

スタジオジブリが無料で発行する冊子「熱風」(7月号)が話題となり、都内の書店では在庫切れが続出している。

宮崎駿監督が、「憲法を変えるなどもってのほか」というタイトルで、戦争の愚かさと憲法改正反対の意思をつづっているのだ。
〈憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです〉
〈もちろん、憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。おかしいけれど、そのほうがいい。国防軍にしないほうがいい。職業軍人なんて役人の大軍で本当にくだらなくなるんだから〉

さらに、徴兵制についても、〈……「徴兵制をやればいいんだ」というようなことを言う馬鹿が出てくるんです。(中略)そういう人たちには、50歳でも60歳でも「自分がまず行け」と言いたいです。行きたくないなら、自分の息子を、息子がいなかったら孫を送れ。そうすれば、徴兵制というものが何だかわかるから〉と歯に衣着せぬ物言いで持論を展開している。

なぜ、監督は「憲法改正」について寄稿したのか。スタジオジブリに改めて取材を申し込んだが、「書かれていることがすべてです」という回答だった。

ジブリ作品について、映画批評家・前田有一氏はこう言う。
「最新作の『風立ちぬ』は、航空技術者の堀越二郎をモデルとしたゼロ戦の開発秘話を描いていますが、アメリカの飛行機を撃ち落とすなどの場面は全くない。実在した人物を主人公に、エンジンの各部品の震え方まで正確に描いていた。アクションシーンを入れていたら、軍国主義を肯定しかねない。描かないことが思想の発露になっているのでしょう」

「宮崎駿全書」の著書がある映像研究家の叶精二氏はこう言う。

「宮崎監督の作品は現在の状況から先を読んで、何を残していくべきか、どう向き合っていくかを描いている。憲法についてモノを言うのも同じなのでしょう。これまでの作品も、大津波のシーンがある『崖の上のポニョ』(08年)の後、東日本大震災が起こっているし、過去には放射能に汚染された世界を描いた『オンユアマーク』(95年)など、まるで原発事故を予想したかのような作品も残している。時代の先を読んでいますよね」

選挙前に読んでおきたい。


関連記事
【ジブリ】【熱風】7月号の特集「憲法改正」が問い合わせ多数・入手困難のため、PDF配信に。(8月20日18時まで)


東京新聞
「改憲 もってのほか」 宮崎駿監督 いま声を大に
2013年7月19日 07時03分

「憲法を変えるなどもってのほか」。スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(二十一日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。 (樋口薫)
熱風は「スタジオジブリの好奇心」が副題で、毎月趣向を凝らした特集を組む。過去には「デモ」「グローバル企業とタックスヘイブン(租税回避地)」など、社会的なテーマも扱ってきた。
編集長の額田久徳さん(50)によると、今回の特集を発案したのはプロデューサーの鈴木敏夫さん(64)。意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリとしての旗色を鮮明にしよう」と腹を決めた。
執筆もジブリの重鎮に依頼。宮崎監督に加え、高畑勲監督(77)が「60年の平和の大きさ」と題して寄稿。本紙に五月、掲載された鈴木さんのインタビューも、「9条世界に伝えよう」として収録された。いずれも憲法九条や改憲手続きを定めた九六条の改憲に反対する内容だ。
宮崎監督は談話形式の記事で「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです」と明言。また、日本の戦争責任や産業構造の問題点などについても率直に語っている。
十日から全国の書店で配布した約五千部はあっという間になくなった。出版部にも「読みたい」と電話が殺到するなど、過去最高の反響という。「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。興味を持ってもらえたのがうれしい」と額田さん。
二十日に公開される宮崎監督の最新作「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計士が主人公で、戦前が舞台。戦争の直接的な描写はないが、平和について考えさせられる内容も含んでいる。「たくさん考えて投票に臨んでほしい」。それがジブリの願いだ。
<スタジオジブリ> 宮崎駿、高畑勲両監督のアニメスタジオとして1985年設立。「天空の城ラピュタ」以降、「となりのトトロ」「もののけ姫」など、宮崎監督の全アニメ作品を製作。2001年公開の「千と千尋の神隠し」が米国でアカデミー長編アニメ賞を受賞するなど、作品は国内外で高い評価を受けている。
(東京新聞)









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