高知新聞 社説
【秘密保護法】「拒否」8割は当然だ
2013年12月11日08時13分
この法律の本質的な「欠陥」からすれば、当然の結果だ。
臨時国会で与党が成立を強行した特定秘密保護法について、共同通信社の世論調査で、国民の50%以上が来年の通常国会以降での「修正」を、30%近くが「廃止」を求めた。また70%以上が、この法律に「不安」を感じていることが分かった。
法律には国民の「知る権利」侵害や政府による秘密指定の恣意(しい)的拡大など、数多くの「欠陥」がある。
参院では、与党と修正合意した一部野党を含めた野党7党が慎重審議を求めた。にもかかわらず、自民、公明両党は採決を強行し、成立させた。
世論調査からは、与党が「数の力」で成立させた法律への国民の不安、懸念が全く解消されていないことが分かる。成立直後に、合わせて80%を超す国民が、法律の修正・廃止を求めるのは異常事態だ。
与党のそうした強行姿勢が影響したはずだ。報道各社の世論調査で内閣支持率が急落し、共同通信の調査でも、昨年12月の第2次安倍内閣発足以来、初めて50%を割った。
しかし、安倍首相は国民の不信や懸念を心底理解していないようだ。
国会閉会後の会見で「良い法律ができた」と自賛する一方、世論の根強い反対には「私自身もっと丁寧に説明すべきだったと反省している」と、まるで人ごとのように振り返った。
法案は、秘密指定がなし崩し的に広がる心配から、政府外部の第三者機関が秘密をチェックできるかが、大きなポイントだった。一部野党との修正合意もそこが焦点となった。
ところが、安倍首相が肝心要のその機関について公にしたのは国会閉会直前。しかも、それらは「政府内」に置かれ、独立した第三者機関には程遠い組織だった。
国民の多くは、安倍首相や政府、与党のこうした姿勢に強い疑問を持っている。世論調査では、法律に賛成した人でも、うち40%近くが「不安」と答えた。与党支持層にも懸念が広がっていることがうかがえる。
安倍首相は、内閣支持率低下を踏まえて「しっかり説明して(世論の)誤解を解きたい」とも述べた。だが国民が「誤解」しているのだろうか。法律の「欠陥」が分かっているからこそ、多くの国民が拒否反応を示したのではないか。
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