検証果たさない政治
日本の現政権は、安保環境の変化を理由に憲法の解釈を変えて集団的自衛権を認めようとしている。友好国を助けるためとはいえ、それは、日本を直接攻撃していない国と戦争を「始める」可能性をはらむ。
そこに「終わらせる」難しさへの視点はあるか。しっかりと「終わらせる」には、関与した戦争についての徹底的な検証も欠かせないはずだ。
思い出しておこう。日本は米国が始めたイラク戦争に関わった。中心的役割は担わなかったにしろ自衛隊を派遣。だが、大量破壊兵器は見つからず「大義なき戦争」となった。それをいまだに総括していない。英国やオランダは調査委員会を設置した。英国ではブレア元首相も喚問された。
戦争に関わった国家の最低限の責務だ。それさえ果たさない政治家たちが、武力行使しやすいように憲法解釈を変えるという。
(略)
戦争終わらせる困難と憲法 論説主幹 大野博人
(『朝日新聞』座標軸2014-05-02)

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