2015年5月24日日曜日

真宗大谷派 立憲精神遵守を願うと宗派声明 : このたび国会に提出された「安全保障関連法案」に対し、強く反対の意を表明いたします。・・・このような愚かな戦争行為を再び可能とする憲法解釈や新しい立法が、「積極的平和主義」の言辞の下に、何ら躊躇もなく進められようとしています。 そこで私は、いま、あらためて全ての方々に問いたいと思います。  「私たちはこの事態を黙視していてよいのでしょうか」、  「過去幾多の戦火で犠牲になられた幾千万の人々の深い悲しみと非戦平和の願いを踏みにじる愚行を繰り返してもよいのでしょうか」と。 ・・・

真宗大谷派
安全保障関連法案に対する宗派声明発表

このたび、国会に提出された「安全保障関連法案」に対し、真宗大谷派では5月21日、宗務総長名による宗派声明を発表しました。


 日本国憲法の立憲の精神を遵守する政府を願う
「正義と悪の対立を超えて」


私たちの教団は、先の大戦において国家体制に追従し、戦争に積極的に協力して、多くの人々を死地に送り出した歴史をもっています。その過ちを深く慙愧する教団として、このたび国会に提出された「安全保障関連法案」に対し、強く反対の意を表明いたします。そして、この日本と世界の行く末を深く案じ、憂慮されている人々の共感を結集して、あらためて「真の平和」の実現を、日本はもとより世界の人々に呼びかけたいと思います。

私たちは、過去の幾多の戦争で言語に絶する悲惨な体験をいたしました。それは何も日本に限るものではなく、世界中の人々に共通する悲惨な体験であります。そして誰もが、戦争の悲惨さと愚かさを学んでいるはずであります。けれども戦後70年間、この世界から国々の対立や戦火は消えることはありません。

このような対立を生む根源は、すべて国家間の相互理解の欠如と、相手国への非難を正当化して正義を立てる、人間という存在の自我の問題であります。自らを正義とし、他を悪とする。これによって自らを苦しめ、他を苦しめ、互いに苦しめ合っているのが人間の悲しき有様ではないでしょうか。仏の真実の智慧に照らされるとき、そこに顕(あき)らかにされる私ども人間の愚かな姿は、まことに慙愧に堪えないと言うほかありません。

今般、このような愚かな戦争行為を再び可能とする憲法解釈や新しい立法が、「積極的平和主義」の言辞の下に、何ら躊躇もなく進められようとしています。

そこで私は、いま、あらためて全ての方々に問いたいと思います。

「私たちはこの事態を黙視していてよいのでしょうか」、
「過去幾多の戦火で犠牲になられた幾千万の人々の深い悲しみと非戦平和の願いを踏みにじ
る愚行を繰り返してもよいのでしょうか」と。

私は、仏の智慧に聞く真宗仏教者として、その人々の深い悲しみと大いなる願いの中から生み出された日本国憲法の立憲の精神を蹂躙する行為を、絶対に認めるわけにはまいりません。これまで平和憲法の精神を貫いてきた日本の代表者には、国、人種、民族、文化、宗教などの差異を超えて、人と人が水平に出あい、互いに尊重しあえる「真の平和」を、武力に頼るのではなく、積極的な対話によって実現することを世界の人々に強く提唱されるよう、求めます。


2015年5月21日

真宗大谷派(東本願寺)宗務総長 里 雄 康 意

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 お堅いイメージが先行する宗教者が、これほどユーモアを交えて表舞台に登場したことが、かつてあっただろうか。真宗大谷派の次期門首、大谷暢裕(ちょうゆう)師(63)が4月22日、京都市下京区の本山・東本願寺で初めての記者会見に臨み、自らと教団について語った。ブラジル国籍の物理学者という異色の経歴とあって報道陣の関心は高く、時間は予定を約30分オーバー。「とても難しいのは正座」「妻とはアツアツの恋愛結婚」といった言葉に、会場は和んだ。大谷派にとっては、将来の教団トップの人柄を印象づけることにひとまず成功した形だが、「お東紛争」と呼ばれる過去の内紛に根ざした複雑な事情が、影を落とし続けている。(小野木康雄)

(以下略)





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