2016年2月19日金曜日

【知られざる文豪の素顔】無名の文学青年だった芥川龍之介の才能を開花させた文壇史に残る漱石の助言(サライ.jp) ; 今から100年前の今日、すなわち大正5年(1916)2月19日朝、・・・「ずんずん御進みなさい。群衆は眼中に置かない方が身体の薬です」


今から100年前の今日、すなわち大正5年(1916)2月19日朝、漱石は筆と墨を使い巻紙にすらすらと達筆の文字を書き連ねていた。・・・

《あなたのものは大変面白いと思います。落ち着きがあって巫山戯(ふざけ)ていなくって、自然そのままの可笑味(おかしみ)がおっとり出ている所に上品な趣があります。それから材料が非常に新らしいのが眼につきます。文章が要領を得てよく整っています。敬服しました。ああいうものをこれから二三十並べて御覧なさい。文壇で類のない作家になれます。しかし「鼻」だけでは恐らく多数の人の眼に触れないでしょう。触れてもみんなが黙過するでしょう。そんな事に頓着しないで、ずんずん御進みなさい。群衆は眼中に置かない方が身体の薬です》

芥川龍之介の短編小説『鼻』を激賞する、日本文学史上、不可欠の手紙である。



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