2019年10月20日日曜日

「決壊しない堤防」をつくった武田信玄の発想法に学べ(藤吉雅春 FORBES JAPAN)



では、台風19号やゲリラ豪雨のような脅威から「信玄堤」で住民を守ることができるのか? そんな疑問もあるだろう。こう考えてはどうだろう。武田信玄が考えた堤防の「形」を受け継ぐのではなく、「思想」を借りることはできないか。今回、信玄の思想が生きたのが、東京都建設局が約1000億円を投じた巨大プロジェクト「神田川・環状七号線地下調節池」である。

1988年から2007年にかけてつくられ、東京都の地下に存在する巨大な調節池は、信玄堤の遊水池を地下に置き換えたものだ。近年は「仮面ライダー」の撮影に使われ、「地下神殿」とも呼ばれる。

「閉じ込める」「分断する」のではなく、「取り込んでリスクを最小化する」。武田信玄が考案したこの発想法は、防災に限らず、社会問題、ビジネスなど、幅広く、私たちにサバイバルするヒントを与えてくれるのではないだろうか。


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