2025年8月20日水曜日

排外主義の根底にある「貧困」――日本ペンクラブ、炎上覚悟で発した声明の意図は 桐野夏生会長に聞く(ITmedia) / なぜ世界各地で同時進行的に極右勢力が台頭してきているのか? 『極右インターナショナリズムの時代ー世界右傾化の正体』(佐原徹哉)は、このことを解明した力作です。 その答えを私なりの解釈で要約すると、(大門実紀史) / 三牧聖子同志社大学大学院教授 ⇒重要なのは、日本人の間にある格差、富の格差を国内で解消すること。富の格差の原因になっていない外国人等に問題の全てをなすりつけ叩くことで満足していても自分を苦しめている格差の問題は解決しない。        

 


〈抜粋〉

  ――記者会見で、排外主義が台頭する要因として「貧困」を挙げていたが、この点について説明してほしい。

 人々の間に、抑圧されているという感覚が強くなっているように感じる。その不満のはけ口が女性や外国人といった弱い立場のところへ向かい、噴出する力学が働いているのではないか。

 排外主義的な主張の根拠は、自分たちが苦しんでいるのに外国人が優遇されている、外国人が権利を乱用しているといったものであり、そのほとんどがきちんとファクトチェックを行えば誤りであることが分かる、フェイクやデマに類するものだ。それを検証している人たちもいるが、追い付かない状況の中でSNS特有の瞬発的、扇情的な情報拡散によって、皆が誤情報を信じてしまう。




〈ツイート全文〉

◆グローバル化(企業利益最優先の新自由主義の世界展開)は、世界的規模で労働移動(外国人労働者、移民の活用)による賃金抑制策を進めた。

◆各国で低賃金構造が定着し格差が拡大。中間層の没落がすすみ経済も低迷した。その結果、国民のなかに閉塞感が広まった。

◆本来なら人びとの不満の矛先はグローバル化の元凶である新自由主義体制に向かうはずである。ところが極右は人びとの不満を新自由主義ではなく外国人差別、排外主義の方向へ誘導した。極右はおもて向き反グローバリズムを掲げながら、じつは新自由主義システムの存続に好都合なイデオロギーを提供し、かげでグローバリズムと手を握ってきたのである。

◆その見返りに極右は新自由主義推進の経済界の後押しを受け、勢力を拡大してきた。実際、米国でもヨーロッパでも、新自由主義経済人が極右のスポンサーになっている。

◆かくして極右と新自由主義の利害は一致し、極右が急速に拡大してきた。これが世界的な右傾化の正体である。


極右ポピュリズムをグローバル化や新自由主義という現在進行形の経済面から分析することは今後のたたかいにとって大変重要だと思います。



 

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