東京 千鳥ヶ淵緑道 2012-06-16
*alterna(オルタナ・オンライン)
脱原発で高まる田中正造の再評価――100年前の日本で物質文明を否定
明治時代の公害・足尾鉱毒事件の解決に熱心にとりくんだ代議士・田中正造のカレンダーを毎年制作している市民団体「田中正造大学」(栃木県佐野市)が、2012年のカレンダーを発表した。
「デンキ開ケテ、世見(世間)暗夜となれり」という正造の言葉が、B2判(12ヶ月一枚)の中央に印刷されている。物質的な発展や人工、人為の進歩のみを追及すれば日本は亡びてしまうという警告だという。同大学・事務局長の坂原辰男さんに聞いた。(聞き手・編集委員 奥田みのり)
――「デンキ開ケテ・・・」につい教えてください。
今から約100年前の1913年7月21日、正造が亡くなる数十日前の日記に書かれた言葉だ。カレンダーでは一部を紹介したが、全文は以下の通り。
「物質上、人工人為の進歩のみを以てせバ社会ハ暗黒なり。デンキ開ケテ世見暗夜となれり。然れども物質の進歩を怖るゝ勿れ。此進歩より更ニ数歩すゝめたる天然及無形の精神的の発達をすゝめバ、所謂文質彬々知徳兼備なり。日本の文明今や質あり文なし、知あり徳なきに苦むなり。悔改めざれバ亡びん。今已ニ亡びツヽあり。否已ニ亡びたり」
社会が物質的な発展や進歩のみを追及すれば、人間社会は暗黒になってしまう。しかし、物質的な発展より天然自然のエネルギーを活用し、精神的発展が先を行くような文明であればいいと言っている。
日本の文明は外見だけを飾っていて実質がない。それで知に偏っており徳がないと批判し、今の文明を改めようとしなければ日本は亡びてしまうと警告している。
――原発の事故後、正造の言葉が度々新聞などで引用されている。
東京電力福島第一原発の事故で明らかなように、ひとたび事故が起これば放射能をまき散らす原発は、本当の文明といえるのだろうか。正造の言葉は、現代文明を見直すきかっけになるだろう。
――「真の文明ハ山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さゞるべし」という正造の言葉が有名だが。
これは1912年6月17日の日記の一文で、2009年のカレンダーに採用した。足尾銅山鉱毒事件は、山を荒廃し、渡良瀬川を死の川にし、村の自治を破壊した。「デンキ開ケテ・・・」とともに、これらは正造の文明論といっていい。
2013年には田中正造没後100年を迎え、田中正造大学は様々な催しを計画している。多くの人に参加してもらい、正造の思想に触れてほしい。
カレンダーの購入について
1枚500円(送料300円)。80円切手10枚を同封し、〒327-0001 栃木県佐野市小中町932田中正造大学事務局まで。10本以上の注文は送料無料。
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ブログ「薔薇、または陽だまりの猫」さんの最新記事も田中正造
亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問・田中正造。再稼働反対 首相官邸に1万余の人々
こちらは民を無視する権力が亡国に至ると激しく非難。
国会演説である。
「民を殺すは國家を殺すなり。
法を蔑にするは國家を蔑にするなり。
皆自ら國を毀つなり。
財用を濫り民を殺し法を亂して而して亡びざる國なし。之を奈何。」
以下、「黙翁年表」よりピックアップ
明治33年2月のことである。
2月9日
・田中正造、第14議会に質問書提出、演説。
被害民の請願の歴史、無視した政府の責任、「毒のため死せるもの」1,064名と強調。
同3日、被害町村幹部宛手紙(5通)で「死人一人に付き一人の仇討請願者なれば丁度千〇六十四人」が出京せよと書く。
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2月13日
・川俣事件
足尾鉱毒被害者2,500人第4回「押し出し」。群馬県館林町に結集して上京。
途中の利根川河畔川俣で警官隊180・憲兵10と衝突。永島与八ら15人逮捕、その後逮捕者100人となる。
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2月15日
・田中正造、足尾銅山鉱毒事件弾圧に対し議会演説。憲政本党を脱党。
17日、第14回議会で「亡国演説」。
「亡国に至るをしらざればこれ即ち亡国の儀につき質問」。
「民を殺すは国家を殺すなり。法を蔑にするは国家を蔑にするなり。・・・」。
各省の責任:
農商務省、鉱毒たれ流し、山林荒廃、魚類絶滅、田畑荒廃。
内務省、衛生局の被害地の衛生、地方局の町村自治破壊。
大蔵省、租税減少。
文部省、小学校生徒死亡。
陸軍省、川俣事件での軍隊の暴行。
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田中正造、巨人である
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とても魅力的な記事でした!!
返信削除また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。