2012年7月14日土曜日

放射能汚染 東京湾のホットスポット(江戸川・荒川の河口付近) 10年以上続く可能性

京都新聞
東京湾河口の放射性物質汚染、10年超も

福島第1原発から200キロ以上離れた東京湾で、海底の土砂に含まれる放射性物質が、事故後3年間にわたって高濃度で増え続ける地点(ホットスポット)が生じるとの予測結果を京都大の研究グループがまとめた。東京湾は湾口が狭い閉鎖性水域のため、汚染が10年以上続く可能性があるという。福井県の原発で事故が起こった場合、同じ閉鎖性水域で近畿1400万人の水源の琵琶湖も、深刻な影響を受けると指摘している。
大津市で開かれている「先進陸水海洋学会」日本大会で12日、京都大防災研究所の山敷庸亮准教授が発表した。

福島第1原発事故で大気に放出され、首都圏の陸地に降り積もった放射性物質が、川を経由して東京湾にどう流入するかをシミュレーションした。国が測定している陸地の放射能濃度や、年間の気象データ、地形情報を元に計算した。

放射能濃度が比較的高い千葉県北部などを流れる江戸川や荒川の河口付近で、半減期30年のセシウム137を中心に、土砂1キロ当たり平均300~500ベクレルの汚染が予測された。原発30キロ圏内の海底土の汚染と同レベルかそれ以上の2千~4千ベクレル以上となるホットスポットもみられた。

高濃度の汚染が事故後3年間みられる理由について、山敷准教授は「川底の泥は東京湾に向かってゆっくりと年5キロの速さで移動する」と説明。閉鎖性水域の東京湾の奥部は外洋との水の出入りが少なく、汚染の長期化が懸念されるという。

山敷准教授は、若狭湾の原発から最短で30キロの距離にあり、滋賀県の1級河川のほぼ全てが注ぐ琵琶湖についても「東京湾と同じ閉鎖性水域。原発事故の際は、より深刻な汚染が続く恐れがある」と話す

【 2012年07月12日 23時10分 】

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