2013年4月24日水曜日

長野県内の生活保護受給者調査 最低限度の生活できず 1日2食以下が31%、入浴週2回以下が71%

中日新聞
最低限度の生活できず 県内の生活保護受給者調査    
2013年4月24日

 生活保護受給者のうち、食事が一日二食以下が31%、入浴が週二回以下が71%-。こんな厳しい実態が二十三日、医療機関や福祉施設でつくる県民主医療機関連合会(県民医連、松本市)による県内の受給者を対象にした初めての調査で分かった。県庁でこの日会見した関係者は「受給者は食費や入浴を削り、人付き合いも避けている。健康で文化的な最低限度の生活が守られていない」と訴えた。

 国は一月、生活保護のうち食費などに充てる「生活扶助費」を八月から段階的に削減すると決定。これに対し、県民医連が加盟する全日本民医連は反対を表明し、千五百人規模の受給者を対象に生活実態調査を実施。県内でも医療施設や老人保健施設を利用した人を無作為に抽出し、二~三月に直接実態を聞き取った。

 それによると、県内の調査対象者は六十七人で、平均年齢は六三・六歳。全体の63%が単身世帯だった。地域行事に69%、冠婚葬祭に55%が「全く参加しない」と答え、生活費の節約が影響しているとみられる。

 医療ソーシャルワーカーの鮎沢ゆかりさんは「受給者は引け目を負わされ、孤立している」と指摘。受給者の「(生活保護を)受けたくて受けているわけではないことを理解してほしい」「不自由な体でも就ける仕事があればあっせんしてほしい」という声を挙げ、「生活保護の引き下げは受給者をさらに孤立させる」と訴えた。

 県民医連の岩須靖弘事務局長は「受給者へのバッシングは、われわれの実感と離れている。(一部の不正受給者を強調した)一方的な批判が、深刻な状況にある人の名誉を傷つけている」と、問題への理解を求めた。
(森若奈)

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