2017年4月9日日曜日

北原みのり「『安倍さん的なゲス』の空気」〈週刊朝日〉 ; この人は今、悪意をエサにして「辻元さん的なもの」を叩いて溜飲を下げたくてたまらない人に向けて、言葉を発している。批判の矛先が変わることを狙ってる。権力のあり方を真摯に自省するつもりは一切ないのだ。 / 【終わってる…】安倍政権が辻元議員のデマについて、「事実を主張する者の証拠を検証するべき」との閣議決定!    


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 もしこれが、共産党の小池さんを名指ししたのであれば、わはは自民党って小せぇ!と噴き出したかもしれない。だけど、何故だろう、辻元さんの名前が総理の口から出た時、全身をねばねばした膜に覆われたような、不気味に重たい気持ちになった。この人は今、悪意をエサにして「辻元さん的なもの」を叩いて溜飲を下げたくてたまらない人に向けて、言葉を発している。批判の矛先が変わることを狙ってる。権力のあり方を真摯に自省するつもりは一切ないのだ。

 「辻元さん的なもの」、それはリアル辻元さんとは全く無関係で、ある種の人たちの妄想の中で生息している「権利を主張する女」である。そういう女に対して、ある種、ショーのように、自らの論理破綻すら厭わずに力尽くの嘲笑で、「彼女」を侮辱してきたのが「安倍さん的なゲス」だ。嘲笑するほど、自分の論理破綻や矛盾がなかったことになるかのように、堂々とからかう。これまでも安倍総理の辻元氏に対する「早く質問しろよ」発言や嘲笑は、見るに堪えなかったが、総理のその態度に盛り上がる空気が、この社会にはある。総理のお友達や妻等も、「辻元さん的なもの」を記号のように共有し、叩いて絆を深めていったのだろう。

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過去記事
「森友の幼稚園に侵入」「作業員を送り込んだ」【ネトウヨ首相】民進党 辻元攻撃でまた墓穴 当事者がことごとく否定(日刊ゲンダイ) / 籠池夫人「辻元さんが侵入してきたは全くのデタラメ。想像でメールを書いた。」 / 辻元清美の“スパイ”とされた作業員が関係を否定し安倍支持者であることを告白! 産経と安倍はデマ拡散の責任を取れ / 東京新聞:辻元氏バッシング 安倍首相が「デマ」に便乗 露骨な疑惑隠し? / <昭恵夫人寄付>首相「辻元氏にも同じこと」否定根拠聞かれ(毎日新聞) / 「同じことが御党の辻元さんとも起こってるじゃないですか。辻元議員にメールの中で書かれていたことが産経新聞に出てましたね。こを否定しているがこれも証明しないといけないことになる」 / 裏取りすれば簡単に事実無根と判明する情報を、あえて裏取りをせずに「ニセ疑惑」として特定のメディアが喧伝し、それを権力者が自己正当化のために利用する。事実無根でも拡散して流通させた者勝ち、の“オルタナティヴ・ファクト”の時代がやってきた事を感じ、戦慄する。


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