2012年5月13日日曜日
福島原発は「冷温停止中」(電事連パンフ) 電力会社への不信の根源
東電など電力会社(電気事業者)にとっては、福島第一原発の現状は「冷温停止中」なんだとか。
中国新聞 '12/5/11
福島原発は「冷温停止中」と表現 電事連パンフ
電気事業連合会が3月に作成した原発のパンフレット「原子力2012(コンセンサス)」で、東日本大震災の影響を受けた原発のうち、東京電力福島第1原発1~3号機について、本来の意味とは異なる「冷温停止中」との記述があることが11日、分かった。
冷温停止は通常時に原発が安定停止した時に使う用語で、事故で炉心溶融(メルトダウン)が起きた第1原発には当てはまらない。
政府と東電は「冷温停止状態」という新たな用語をつくり、昨年12月にこの状態になったと宣言した。
パンフレットは冷温停止時期について、1号機は昨年7月以降、2号機は10月以降、3号機は9月以降としており、政府宣言の時期と異なる。
電事連は「政府の見解は原発全体の評価で、われわれは1基ずつを評価した。冷温停止は、冷温停止状態と同じ意味で使っており、他意はない」と説明している。
1~3号機は炉内の状況がほとんど把握できていない。温度計の信頼性が低い上、放射性物質を含む汚染水が漏れ続ける不安定な状態で、パンフレットの記述には疑問が残る。
このパンフレットはホームページに掲載。電力各社に配っているほか、希望者には無料で渡している。
冒頭で「福島第1原発は、すでに冷温停止に至りました」と記載。地震と津波の影響を受けたが、事故には至らなかった東北電力女川原発や日本原子力発電東海第2原発と同じ表現にしている。
また使用済み燃料プールの冷却ができず、原子炉建屋が水素爆発した4号機は、事故に至らなかった5、6号機や東北電力東通原発と同じように「地震発生時、定期検査により停止中」と表現されている。
この1年あまりで、政府・電力会社のスタンスを勉強した。それは、以下のようなもの。
1.出来れば隠したい。出来れば知らせたくない。
2.どうしても知らせなければならない時は、なるべく遅らせる。
3.どうしても知らせなければならない時は、過少に表現する。言いくるめる。
しかし、この電事連パンフの表現は、上の1~3には当らない、明らかに「ウソ」だ。
福島第一原発は、いまだに毎時750万ベクレルの放射性物質を放出している。
電力会社への不信の根源
彼らがこんな態度だから、値上げや電力需給などの根拠数値など、だれも信用しなくなっているんだ。
不幸にも、そのことを自分たちが自覚していない。
事故までは、札びらきって、庶民は勿論のこと、役人や学者までも言いなりにしてきたそのクセが、すぐには直らない。
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