2024年11月13日水曜日

マスク氏を「政府効率化省」トップに起用、トランプ次期大統領が発表 ラマスワミ氏も抜擢(BBC);「ラマスワミ氏は予備選で、連邦政府職員の75%以上を解雇し、教育省や連邦捜査局(FBI)、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局など、いくつかの主要連邦機関を閉鎖すると主張していた。」 / トランプ氏「現代のマンハッタン計画」 マスク氏の政府効率化組織(毎日) / マスク氏、米FRB廃止支持? SNS投稿に賛同の絵文字(時事) / 「新たな時代の幕開け――アメリカのテック・ボス連(bros)が権力の中枢で権力を誇示」(ガーディアン)        


〈ツイート全文〉

 The Observer紙キャロル・カドワラダー氏記事。


米国の技術業界の新しいエリート層(いわゆる「テック・ブロ」)が政治の中心に進出し、社会全体に根本的な変革を引き起こしている。

1.背景と新しい情報秩序の台頭 

2016年の米国大統領選挙を契機に、「情報空間の裂け目」が生じ、事実や証拠で支えられた従来の安定した世界観が揺らぎ始めた。その時点で、「技術の混乱」が民主主義を脅かす可能性を感じ取られ、以来8年間を通して「偽情報」「ディスインフォメーション」「マイクロターゲティング」などの新しい言葉が登場し、社会が情報戦争の時代に突入したことを示した。

2.ソーシャルメディアの変質と影響力の拡大 

ソーシャルメディアは単なるプラットフォームの枠を超え、現在はメインストリーム・メディアとして、世界中で情報収集の主要な手段となっている。2016年の選挙を通じて既にその兆しが見え始めていた。例えば、ケンブリッジ・アナリティカやロシア政府がソーシャルメディアを「脅威の表面」として悪用し得ることが証明された。

3.技術エリートの影響力と政治的結合 

イーロン・マスクをはじめとするテック・エリートが政治権力と結びつき、「監視産業複合体」としてメディアや学者に圧力をかける事態が顕著である。この記事では、イーロン・マスクがトランプやプーチンとのつながりを持ち、テクノロジーを用いて権力を掌握しようとする姿勢が問題視されている。カドワラダー記者は、マスクを「シャドウ国家元首」のように描写し、情報操作や憎悪を助長する行動が社会に大きな影響を与えていると指摘する。

4.文化と政治の相互関係 

この記事ではスティーブ・バノンの「政治は文化の下流にある」という言葉を引用し、テック・エリートの支配が単に経済や技術の問題にとどまらず、社会文化的な影響力を持ち、選挙結果さえも左右する現状に注意を促している。この文化的影響が、YouTubeやTwitch、ポッドキャストを通じて「テック・ブロ」文化が根付くことを可能にしていると述べる。

5.民主主義と真実への脅威

 記者は、マスクやピーター・ティールなどの技術エリートが真実や科学、ジャーナリズムといった啓蒙主義的な価値観に対して脅威となっていることに懸念を示す。テック業界がもはや真実やエビデンスを重要視せず、既存の制度や秩序を破壊し、代わりに独自の影響力を行使する傾向があるとする。

6.社会の情報汚染とその対策




 記事の結論部では、現在の社会が「情報の下水道」に浸っている状況を比喩的に描写し、汚染された情報環境に対する「浄化」が必要であると述べる。これは政治的な問題にとどまらず、社会全体で取り組むべき課題であると強調する。


このように、カドワラダー記者は、技術エリートが支配する「新しい時代」において、情報と権力の不均衡が深刻化していると警告し、民主主義や真実が維持されるためには新しいアプローチが求められると提言している。


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