日刊ゲンダイ
在特会幹部と記念写真 山谷大臣がヘイト集団に“信奉”される理由
2014年9月20日
「在特会の人であることは知らなかった」
18日の定例会見で、そう釈明したのは山谷えり子・国家公安委員長だ。約5年前、在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の幹部らと一緒に写真に納まっていたことが発覚。問題の写真は16日まで在特会の元関西支部長が自身のHP上で公開していた。
元支部長は、発売中の「週刊文春」で「山谷先生とは教育問題を議論する団体の活動を通して20年来のお付き合いがありますねん」とコメント。山谷事務所は「20年前に面識は全くない。文春の誤報ではないか」と答えた。
「一緒に写っていた男性幹部のうち2人は現在、収監中の身です。09年12月に京都市内の朝鮮学校で<朝鮮学校をたたき出せ>などと拡声器でガナリ立て、翌年に威力業務妨害などの容疑で逮捕。その後、2人はCMに韓国女優を起用した企業を訪れ、社員を脅すなど次々と事件を起こし、繰り返し逮捕されたのです」(捜査事情通)
■撮影3カ月前に国会質問
日本警察トップの国家公安委員長が犯罪常習者と一緒の写真が公開されていたとは脇が甘すぎる。しかも山谷氏は拉致担当相を兼務。在日朝鮮人にヘイトスピーチを繰り広げる団体幹部との写真が、大詰めを迎えた拉致交渉に悪影響を及ぼす可能性だってある。
政治家は行く先々で記念撮影を依頼される。いちいち一緒に納まる相手の身分を確認していられない事情は分かるが、なぜ山谷氏は在特会に好まれ、引きつけたのか。ナチス信奉者とツーショット写真を撮った高市大臣、稲田政調会長も同様に、その要因こそを問題視すべきで、皆「知らなかった」では済まされない。
山谷氏と在特会の思想はある問題を巡って一致している。08年に成立した国籍法の改正問題だ。
「この年の6月、最高裁が『婚姻の有無により子の国籍取得の扱いに差異を設けた現行の国籍法は憲法の平等規定に反する』と違憲判断を下し、国籍法改正の必要が生じました。この動きに在特会は猛反発し、“国籍法改正案は外国人が日本人になり済ますことができる危険な法案だ”との声を上げたのです」
山谷氏も08年11月に参院法務委で質問に立ち、「最高裁の違憲判断には非常に違和感を持つ」と表明。「(外国人が日本人になり済ます)偽装認知をどう防ぐか」「組織的犯罪が起こる心配がある」と政府を追及した。在特会の幹部らと写真に納まったのは国会質問の約3カ月後のことだ。山谷氏の事務所は「ご指摘の国会質問は在特会の活動と全く関係ありません」と回答した。
それにしてもネオナチやヘイトスピーチ集団に“信奉”される大臣の居並ぶ改造内閣が高支持率を叩き出すとは。つくづく日本社会は歪んできている。
0 件のコメント:
コメントを投稿