2026年8月16日日曜日

「安全保障は、決して軍事だけでは守られない」──国際政治学者・三牧聖子さんと考える、平和のためにできること 各地で戦争や侵略、虐殺が起こるなか、日本と世界の平和をどのように考えることができるのか。日本のアメリカ依存が強まるなかで、憲法9条の理念をどう守っていけばいいのだろうか。国際政治学者・三牧聖子さんに、今の世界情勢を捉える方法を聞いた。(VOGUE)


 大国による国際法の蹂躙。「同調する我々も、国際法の崩壊に加担している」

アメリカへの幻想を抱き続けている日本は世界の少数派に

「2026年7月初頭に、アメリカのピュー・リサーチ・センターという世論調査会社が発表した調査によると、調査対象となった米同盟国を含む調査の結果、36の国・地域のうち25の国・地域で、中国への信頼度がアメリカを上回りました。この逆転には、イラン戦争が大きく影響しています。国際的な評価が劇的に改善するようなことを中国がしたわけではなく、アメリカのオウンゴールで中国の国際的評価が上がっているという状況です。」

「一方、この調査でアメリカへの好感度が明確に中国を上回ったのは、日本やイスラエル、インドなど6カ国だけでした。つまり、いまだに「中国との関係がどれだけ悪化しても、最終的にはアメリカが守ってくれる」という幻想を持ち、「頼りになるアメリカ」のノスタルジーに浸っている我々は、世界の少数派になりつつあります。」

「高市首相は2025年11月の衆議院予算委員会で、中国軍が台湾に武力攻撃を行い、来援した米軍が攻撃された場合、日本が集団的自衛権を行使し、自衛隊が米軍とともに武力行使に踏み切る可能性を示唆しました。この台湾有事をめぐる発言以降、中国とは第二次世界大戦以来最悪の関係になりつつあります。そんな状態でアメリカにもそっぽを向かれたら安全を維持できなくなるということで、日本はますますアメリカ依存にはまりこんでいます。」

反戦世論を背負うかどうか──イラン戦争以降目立つイタリアと日本の差異

戦争や紛争があふれる世界で、どのように憲法9条を守ることができるのか

「改憲論者の高市首相が9条に救われた形になったのは皮肉ではありますが、憲法が砦となったこと自体は、素直に良かったと思っています。高市首相自身は、イラン戦争について違法だという判断を示していたわけではないし、艦船派遣も選択肢に入れていたとも伝えられています。憲法9条がなかったら、アメリカに押し切られていたかもしれない。時の為政者に、勝手な判断で戦争に参加させない仕組みとして、9条は簡単に手放してはいけません。」

「しかし、中国と競うように軍拡していく先には平和はないと思います。そこには圧倒的な経済格差、防衛費の差があるのですから。また、日本の食料自給率は4割を切っています。補給路を断たれたらすぐに深刻な食料危機が訪れるでしょう。もっとも、今の厳しい安全保障環境を踏まえると理想主義も編み直す必要があるため、現実主義に啓蒙されるべき部分もあると思います。両者の対話の末に、より良い議論が生まれていくことを願います。」

パレスチナ支持が広がるアメリカ。「市民が声を上げることは、時間はかかるけれども決して無駄ではない」

「日本はかつて大きな過ちを犯しましたが、その後81年間、一度も戦争をすることなくやってきました。日本はそんな平和国家としての強みを活かし、停戦交渉などでプレゼンスを発揮するべきです。どの国ともそれなりの関係を維持してきた我々は、全方位外交が本来できるはずです。

日本はイランと伝統的に友好関係があるので、今回のイラン戦争でも停戦交渉の仲介役としては非常に良いポジションにあるはずでした。しかし、実際に交渉に汗をかいたのはパキスタンや湾岸諸国であり、その背後で助力をしたのは中国でした。日本はアメリカの目を気にして何もできず、残念ながら平和国家として培ってきた信頼を生かせていない状況です。停戦や平和に向けた努力も他国任せの我々が本当に平和国家と言えるのか、問い直す必要があります。」

「アメリカの研究をしている私が今一番注目しているのは、アメリカ国内でのイスラエル批判の高まりです。アメリカは、イスラエルの建国以来ずっと、心情面でも軍事面でもサポートを続けてきた親イスラエルの国です。しかし、2023年以降のガザでの凄惨な状況を見たアメリカの若者たちは、自分たちの税金でイスラエルに法外な軍事支援が行われていることに気付き、ジェノサイドに加担したくないと抗議運動を始めました。

今年に入ってから実施された、イスラエルとパレスチナをめぐるアメリカの世論調査では、「パレスチナ側に同情する」と答えた割合が「イスラエル側に同情する」の割合を初めて超えました。米下院では、イスラエルに対する数十億ドル規模の軍事支援を阻止する案の採決が行われ、民主党議員100人以上が賛成票を投じました。ここ数年で、アメリカ国内では着実にパレスチナ支持者が増えてきています。

さらに先日、ニューヨークのゾーラン・マムダニ市長は、国際刑事裁判所から逮捕状が出ているネタニヤフ首相がニューヨークに来たら逮捕するという考えを表明しました。もしもこれが3年前だったら、市長が即辞任させられるくらいハレーションの大きい発言だったと思いますが、今や国民の約半数が賛同する正義のステートメントになっています。声を上げる市民が増えた結果、アメリカでは大きな政治変動が起きつつあります。

こうした2023年からのアメリカの動きを見ていると、市民が声を上げることは、時間はかかるけれども決して無駄ではないということが証明されているように思います。戦争を止めようとする世論の変化が、大きな政治的帰結をもたらす可能性があります。」

福田康夫元総理 『絶対に日本は戦争をする国にはなりたくないという意思表示を常々していかなければいけない国です。そこで強がり言ったってしょうがないんだ。相手との良い関係を築いていくために日本はそれ以外に道がない。日本が生き残っていくための道はない』(報道1930)

「生きている地獄」終戦3日前に満州で起きた「麻山事件」 初めて公開された名簿が語る異様さ500人以上の民間人はなぜ自決しなければならなかったのか【終戦81年】(東北放送)

〈高市早苗、日本武道館駐車場で靖国神社に向け遥拝 ← 新聞社の首相動静にもわざわざ明記〉 → 「同11時9分、東京・北の丸公園の日本武道館着。同18分から同19分まで、東京・九段北の靖国神社に向け遥拝(ようはい)。同11時51分から午後0時45分まで、全国戦没者追悼式。」(首相動静 15日:朝日新聞) / 「遥拝」は参拝に準じるものであり、一度は参拝断念を匂わせながら記者に見せるためわざわざ強行したよう。 靖国神社が国民を侵略戦争に動員する精神的支柱となった歴史も、いまなお「自存自衛」「正しい戦争」と歴史修正を図っている事実も、わかった上での決行だろう。 愚かな行動というほかない。(山添拓)  

反省なんかしないと、若い時から放言している政治家が、日本の首相をしているということが根本問題。文言もいつもながら姑息。挙げ句に「インド太平洋の輝く灯台として、頼りにされる国になれます」とは笑止。(平野啓一郎) / 「諸外国に『反省する気はない』と受け止められ、外交的不利益をもたらしかねない。憲法前文の精神にも反する」と 日大の古川隆久教授。 「反省しない、求められるいわれもない」「過去の戦争は自存自衛のため」が持論の高市氏。昨日は日本国首相として無反省を世界に晒した。(東京新聞労働組合) / 憲法前文には、「日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、この憲法を確定する。」とあります。.....日本国憲法の下の権力者である高市総理は、日本国民に対して、自らが「戦争の惨禍を繰り返さない」と誓わなければなりません。(小西ひろゆき)

2026年8月15日土曜日

玉音放送と演出。 「写っているのは確かに私だ。しかし、忘れてしまいたい写真だった」「なぜ涙を流す格好をするのか理解できないまま、言いなりになってしまった」(「「歴史的瞬間」作為だった」『北海道新聞』1995年10月8日付。参照:佐藤卓己『八月十五日の神話』P30)



 

ニューヨーク市長ゾーラン・マムダニが表明した、Amazonの配達員を保護する条例。日本ではなかなか伝わっていないがこの背景にはTeamstersなど労働組合の果たした役割が大きい。 / そしてこの条例に抗議するAmazon側の代表ロビイストがジェシカ・シューマー。 民主党上院議員長チャック・シューマーの娘。 

〈「深い反省」と述べた天皇との違いが際立つ〉 〈「繰り返させない」ではなくて「繰り返さ"せ"ない」は「日本は被害者」歴史観〉 〈「アジア」の語は使いたくないので、安倍晋三の語を借りて「インド太平洋」と〉 → 高市首相「反省」再封印 初の式辞、戦争主体曖昧に―終戦記念日(時事) / 「惨禍繰り返させない」と首相、反省触れず(47News) / 戦禍「繰り返さ“せ”ない」高市氏なぜ式辞変更? 戦没者追悼式(毎日) / 惨禍を繰り返さ「せ」ない 高市首相の式辞に加わった1文字への懸念(朝日) / 高市首相、「反省」「不戦の誓い」触れず 戦没者追悼の式辞(朝日) / 高市首相の追悼式式辞、戦争の「反省」使わず 前年に13年ぶり復活(日経)

〈反省しないヒト(高市早苗)との違いが際立つ〉 → 全国戦没者追悼式、天皇陛下のお言葉全文 「深い反省」「苦難語り継ぐ」(日経) / 「過去を顧み深い反省の上に立って再び戦争の惨禍が繰り返えされぬことを切に願い」と憲法前文の「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのない」を意識して「戦争の惨禍」を使う。

「やれることはやった」と言うのに自己採点は53点…石破茂がいまの自民党の"反省しない保守"に異を唱える理由(PRESIDENT);「『何なんだこれは』と強烈な違和感を覚えました。あまりにひど過ぎる、絶対に許せないと思いましたね」 昭和百年記念式典で高市首相は天皇陛下を先導せず 政府の申し出に基づき“天皇陛下のお言葉”なし「党大会的な演説をされて終わった」「戦争から敗戦、そして戦後の復興という昭和の前半の歴史がすっぽり抜け落ちていた」