ギュスターヴ・モロー(1826-98)
『牢獄のサロメ』(1873-76頃 松方コレクション)
本作は、新約聖書に記された洗礼者ヨハネの斬首の場面を描き出したものです。
荒野の聖人ヨハネは、ユダヤの王ヘロデが兄の妻ヘロデヤと結婚したことを咎めたために、牢に入れられました。
宴の席でヘロデヤは娘サロメをそそのかし、舞の褒美にヨハネの首を求めさせます。
本作では、ヨハネが繋がれていただろう刑具を物憂げに見つめるサロメを手前に配し、斬首の場面は左奥に遠ざけられています。
モローは劇的なシーンの描写を避け、サロメの微妙な心理に焦点を当てようとしたのでしょう。
ほの暗い空間に浮かぶ金色の光は、場面に神秘的な雰囲気を与えています。
ギュスターヴ・モロー(1826-98)
『ピエタ』(1876頃 松方コレクション)
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