2016年4月16日土曜日

【熊本地震】「一過性のものではない」専門家指摘 南海トラフ巨大地震につながる内陸地震続発 西日本中心にこの20年 - 産経ニュース / 熊本地震は南海トラフ地震の前兆かもしれない」専門家が警告 (高橋学 現代ビジネス) ; 非常に「いやな位置」で発生した地震 世界的に大規模な地震が起きている / 連続する地震 東の活断層や南海トラフへの影響は (朝日新聞) ; 北東・南の活断層に「影響も」 南海トラフ地震「誘発低い」


・・過去にも巨大津波を引き起こした東南海、南海地震の前には、内陸型の大地震が発生しており、研究者らは「今回の地震を一過性のものと考えるべきではなく、警戒が必要だ」と呼びかけている。

「今後続けて内陸地震が起きる恐れがある」

尾池和夫・京都造形芸術大学長(地震学)は、今回の熊本地震の影響について、こう警鐘を鳴らす。尾池氏は、熊本地震の震源地の付近には、複数の大規模な断層帯が確認されているほか、日向灘では過去にも頻繁に地震が起きていることから、特に九州での内陸地震の発生を警戒する。

さらに尾池氏は、「紀伊半島や四国の北部を通る中央構造線断層帯での地震の発生にも警戒が必要だ」としており、内陸地震が続発する可能性を示唆する。

国内では、内陸地震の後には、西日本の沖合を震源とする南海トラフ地震が100~200年周期で発生し、津波により大勢の死者を出す-という歴史を繰り返してきた。

南海トラフ地震となった昭和19年の東南海地震、21年の南海地震の前には、鳥取地震(18年)、三河地震(20年)など1千~3千人が犠牲となる内陸地震が発生。尾池氏が「南海地震につながる内陸地震の始まり」と位置づける明治24年濃尾地震では、約7千人が亡くなっている。

梅田康弘・京都大名誉教授(同)も「過去の事例でも、南海トラフ地震の前には、前兆のように内陸地震が活発化している」と指摘。一方、今月1日には三重県南東沖地震が起きており、「昭和の東南海、南海地震と同じメカニズムとみられ、南海トラフでの巨大地震を誘発した可能性もあった」と主張する。

平成7年の阪神大震災以降、内陸地震が続いており、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)研究員の高橋成実氏は「将来の地震の発生時期を示すのは困難だが、南海トラフ巨大地震が起きることは分かっている。さまざまな機会をとらえ、備える姿勢を高めるべきだ」としている。


非常に「いやな位置」で発生した地震

(略)

この地震は、非常に「いやな位置」で発生した地震である。というのも、この震源が阿蘇山のすぐふもとを走る布田川断層であると考えられるからだ。阿蘇山というのは、長野、静岡、愛知、和歌山から四国を突き抜け、九州に至る巨大な断層の集中帯の上にある。

このことを考慮すると、最悪の場合、長野や静岡、四国、九州で、今回と同じような内陸直下地震が立て続けに起こる可能性があるのだ。そして、その先には、南海トラフの巨大地震が控えている。

イメージとして、今回の熊本の地震は、2011年3月11日に起こった東北地方・太平洋沖地震(東日本大震災)に先立って発生した、岩手・宮城内陸地震(08年)と類似していると考えていただきたい。

というのも、熊本地震が発生する以前、福岡の警固(けご)断層や兵庫県の山崎断層で、震度1に満たないような地震が頻発していたからだ。これは、宮城内陸地震の前兆と似ている。そう考えると、またひとつ大きな地震が起きる、とも推測できる。

また、熊本では2月12日以降、深さ10kmでM1.7~M2.7の地震が発生していた。これらの地震は規模が小さく、とるに足りないようにみえた。しかし、これらの地震を発生させているエネルギーの流れを詳しく見ていくと、台湾-琉球諸島-西日本-中部日本-東日本の一部の位置するユーラシアプレートと、その下にもぐり込んで圧縮しているフィリピン海プレートにまでたどり着く。

こうしたプレートの動き全体をみる必要性があり、今回の熊本の地震だけでは収まらないと考えるのが、自然なのである。

事実、4月1日には、東南海地震を彷彿させるM6.1の地震が紀伊半島沖で発生している。さらに、4月10日には兵庫県神戸市南東部の六甲断層系でM4.3とM3.5の地震が続いた。ここに至り、台湾から東日本の一部までを全体として捉え、それらの地震を関連付けて考えるのは間違いでないと確信するようになった。

世界的に大規模な地震が起きている

筆者はすでに、プレートの動きと、内陸直下型地震、火山噴火、プレート(海溝)型地震の関係を図のように整理している。結論を先に言うと、台湾-沖縄-西日本-東日本の一部ではステージ3以降を、東日本ではステージ4以降に注意をはらう必要がある。

(略)

今回の熊本の地震は、ステージ3の南海トラフ地震の「前奏曲的」な意味合いが強いと考えられる。筆者は2020年東京オリンピックまでに、南海トラフ地震の発生が懸念される状況にあると考えている。筆者の推計では南海トラフ地震の津波被害者は、47~50万人である。熊本地震を単体のものとしてとらえず、日本全体の「危機の前兆」と認識し、対策を講ずる必要があるのだ。








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