2016年11月10日木曜日

『熱烈! 傑作ダンギ ミケランジェロ』メモ (日曜美術館 2016-10-23) 《ピエタ》 《ダヴィデ》  《ノアの洪水》 《最後の審判》 《夜》《昼》 《囚われ人(奴隷)》 《ロンダニーニのピエタ》

《アダムの創造》

日曜美術館 2016-10-23
『熱烈! 傑作ダンギ ミケランジェロ』メモ


《ピエタ》
バチカンのサンピエトロ大聖堂。
ミケランジェロ24歳の時の作品。

石の彫刻にもかかわらず、リアルな肉体表現が見る者の目を奪い、
その超絶技法はミケランジェロの名前をイタリア中にとどろかせるきっかけとなった。


ミケランジェロ以前のピエタは死後硬直で棒のような手足になっているものだった。
この頃の芸術作品は、キリスト教を広めるために作られ、聖書の通りに作られていた。
ミケランジェロは古代ギリシャの彫刻に感銘をうけ、人間らしい生命力あふれる肉体表現を追求した。(ルネサンス)




《ダヴィデ》 
ミケランジェロは故郷フィレンツェから仕事の依頼を受けた。
当時、フィレンツェはメディチ家が追放され、共和制が始まったばかりで、ミケランジェロはフィレンツェの新たなシンボルとして「ダヴィデ」を制作した。

一つの大理石から3年かけて掘り出した高さ4メートルを超える巨大な彫刻。

この型破りの彫刻は賛否両論を巻き起こした。


ダヴィデは羊飼いの少年で、石を投げつけて巨人戦士ゴリアテに戦いを挑み、首を取る。
ミケランジェロ以前のダヴィデは、聖書を忠実に再現していて、ダヴィデと剣とゴリアテの首は必須のアイテムだった。

しかし、ミケランジェロのダヴィデはたくましい青年像で、全裸。
左手には石を投げる道具を持ち、いままさにゴリアテに挑もうという闘志に満ちたダヴィデ。

孤高の人、誰にも依存せず、何にも帰属しないストイックさ。
完璧さのあくなき追求。
29歳のミケランジェロの緊張感が見える作品。


ミケランジェロ30歳のとき、ユリウス2世によってローマに招かれ、システィーナ礼拝堂の天井画制作を命じられた。
その頃、バチカン内部では権力闘争が渦巻き、また疫病が広がり、教皇が絡んでのイタリア戦争が始まるなど、不安と混迷の時代であった。



《ノアの洪水》
人間を作ったことを後悔した神が大洪水を引き起こし、ノアと箱船に乗った者だけを救う場面。
しかし、ミケランジェロは、箱船は画面の奥に小さく、ノアも腕と顔半分を描くにとどめた。
ミケランジェロは、丘に向かって必死に生き延びようとし、やがては洪水に飲み込まれる人々を前面に描いた。



《最後の審判》
システィナ礼拝堂の祭壇に飾られている「最後の審判」。
ミケランジェロが8年がかりで完成させた。
ミケランジェロ66歳。


中央にいるキリストが、天国に行く善人(左側)と地獄に落ちる悪人(右側)を振り分けている。
キリストの隣にマリア。

ミケランジェロの最後の審判では、善人にも悪人にも等しく光が当たっている。
等しく温かい目を向けている。




《夜》《昼》


《囚われ人(奴隷)》
一見、完成品に見えない、制作過程の作品のように見える。
「自然に帰依する」(ヤマザキマリ)


《ロンダニーニのピエタ》
「本質だけの彫刻」になった


既成の概念や権威を真に受けて行動しない
わからないものをわからないまま共有する
人間とは何かを問い続けてその答えを模索した人

関連過去記事
天才たちの芸術革命 フィレンツェ ”ルネサンス”物語 (その3終 ; ミケランジェロ Vs. レオナルド Vs. ラファエロ)  (美の巨人たち2016-06-16、25)






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