2016年5月13日金曜日

「できるだけ屈折している人が…(蜷川幸雄)」 (鷲田清一 折々のことば(『朝日新聞』) / 「イケメン俳優人気への憂い」 (蜷川幸雄 演出家の独り言『朝日新聞』) / 写真特集 (毎日新聞写真部)

連載:折々のことば (『朝日新聞』)
317 できるだけ屈折している人が…
鷲田清一2016年2月21日05時00分

 できるだけ屈折している人がいい……光がいったときには、普通の人の屈折率よりも違うふうに光が入って、演劇が立ち上がるんだ。

蜷川幸雄

 世の習いにうまく合わせられない人、生き方がこじれている人のほうが、演出に対し複雑に反射するので、演技は厚くなる。どこか時代の影がさすところもあり、演技に独特の綾(あや)が生まれると、演出家は言う。俳優について語っているのだが、人生というドラマにおいてもきっと同じことが言えるはず。「蜷川幸雄の稽古場から」より。(鷲田清一)


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