2015年4月7日火曜日

昭和18年(1943)9月18日~9月26日 マキン、タラワの日本軍全滅 西日本(九州・中国地方)に台風、死者・行方不明970人 法文系大学・専門学校の徴兵猶予停止など閣議決定 ニューギニアの第51師団、サラワケット越え開始 

2015-04-02 千鳥ヶ淵公園
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昭和18年(1943)
9月18日
・重慶で、第3期国民参政会第2大会が開催
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9月18日
・山口謙三(日本鋼管)、検挙
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9月18日
・アメリカ機動部隊、マキン、タラワ空襲。所在の日本軍全滅
古賀連合艦隊司令長官は直ちに小沢治三郎中将の第3艦隊含む連合艦隊主力を率いて出撃、敵を発見できず。
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9月18日
・20日にかけて西日本(九州・中国地方)に台風。
列車が断崖に転落したり水害などで、死者768人、行方不明者202人、負傷者491人、家屋破損2万5803戸(全壊6574戸)。
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9月18日
・「伊藤博文は強かった。これは明治天皇が親任したもうたからである。誰が何といおうが親任したもうた。明治天皇は確かに偉大な皇帝であられた。」(清沢『暗黒日記』)
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9月20日
・中国共産党、臨時全党代表大会
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9月20日
・方面軍、北支那特別警備隊を編成、山西省中部に1中隊、井径炭坑に1特別偵諜隊を派遣
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9月20日
・フィリピン、国会議員選挙。カリバビ加入者による選挙。
43年7月現在、カリバビ加入者35万人。人口は39年段階で1600万人とされる。

これより先、憲法制定。
フィリピソ独立準備委員会による新憲法起草作業には、日本側から第14軍軍政監部司法班長司波実が加わる。
憲法起草を終え、カリバビに開設させた立法院に憲法を批准させる。カリバピ代表による批准は全国民の意思を代表するとし、国民の直接投票による批准はしない。
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9月20日
・鈴木梅太郎(69)、没。ビタミンB1の抽出に成功。
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9月20日
・ドイツ軍、サルデーニャ島から撤退。
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9月20日
・イギリス『ソース(源)』作戦(アルタフィヨルド(ノルウェー)内の戦艦ティルビッツを潜水艦攻撃する作戦) 
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9月21日
・閣議決定、「現状勢下における国政運営要綱」。疎開を提起。
国内態勢強化方策は航空戦力増強・食糧自給・国内防衛を目標とし、①法文系大学・専門学校の徴兵猶予停止、②理工系学徒の入学延期、③理工系学校の拡充、④法文系大学高度の統合整備、⑤義務教育8年制の延期、⑥徴用の強化、⑦女子動員の強化等を決定。
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9月21日
・陸軍省、兵役法施行規則改正公布。1930年以前検査の第2国民兵も召集。
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9月21日
・ハイラル輜重兵第23連隊長鈴木庫三、熊本の輜重兵第46連隊長に転任辞令うける。
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9月21日
・ソ連軍、チェルニゴフ占領
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9月22日
・連合軍、ニューギニア島フィンシハーフェン上陸。ニューブリテン島との間のダンビール海峡確保のため
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9月22日
・陸軍、4式戦闘機疾風の木製化を立川飛行機に命じる
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9月22日
・陸軍51師団(中野中将)、ラエ(ニューギニア)から北方キアリへ撤退。サラワケット山(4,500m)横断中2、000(25%)没。10月18日キアリ着。

第51師団の転進方向は、①フィニステル山系南麓を廻りポガジン渓谷に至るルート、②4千mの山脈を横断して北方海岸キャリに達する、2つ考えられる。
中野中将は、かつて宣撫工作隊を率い山中踏破した北本正治工兵中尉(元オリビック・マラソン選手)の報告により、敵軍と遭遇するボガジン・ルートを避け、サラワケッ卜山を越えるルートを選択。
かくて、第20師団第79連隊は北からフィンシハーフェソに向かって400kmを急ぎ、第51師団は南から北に100kmの山岳行軍を行なうことになる。
中野中将は、ラエ、サラモア地区の全兵力853人を集め、行程を16日と見込み、食塩は1人1日600gとして10日分を持たせる(不足分は食い延ばす)。傷病者の一部は、船舶工兵第5連隊第一中隊長寺村貞一大尉指揮の大発5・小発1・装甲艇1によって、海路フィンシハーフェンに送られるが、多くは手樽弾・小銃で自決。
22日、サラワケット山に入る。

ガ島は飢えと病魔の戦いだとすれば、ニューギニアはさらに長行軍を加えた三重苦。
サラワケットを越えた第51師団、マダンから400kmを歩いてフィンシハーフェソ守備についた第20師団第79連隊は、ほんの序の口。
44年1月、フィンシハーフェン防御が危くなるや、両師団は又もマダンに300kmのフィニステル山系縦断に出て、44年4月、3度、第51師団はウエワク、第20師団はアイ夕べ、第41師団はハソサへと、夫々200~300km夜歩き、やがてさらにホーランジャまで700kmを、山を登り、急流を渡り、湿地を越えて進む。
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9月22日
・汪兆銘南京国民政府主席来日(~23日)。
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9月22日
・ドイツ戦艦「ティルピッツ」、イギリスの「X艇」による攻撃で損傷
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9月22日
・ソ連軍、ポルタヴァを占領、ドニエプル川渡河
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9月22日
・連合軍、バーリ上陸
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9月23日
・閣議、1945年度より台湾に徴兵制をしくことを決定。1944年9月1日、1年繰り上げ実施。
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9月23日
・イタリア、ムッソリーニ、北イタリアのガルダ湖畔・サロで新政権(ヒトラー傀儡政権)サロファシスト共和国を樹立
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9月24日
・文部省が学徒体育大会を全面禁止
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9月24日
・ソ連、国民委員会「自由ドイツ」、「ドイツ将校連盟」、連名で呼掛け、年末には前線での呼掛け活動行う
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9月25日
・シャン地方に於けるビルマ領土に関する日・ビルマ条約調印(ラングーン〔ヤンゴン〕)。即日実施。
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9月25日
・ソ連軍、スモレンスクを占領
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9月26日
・第1軍、十八秋晋北西地区粛正作戦を実施(~11月上旬)。
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9月26日
・木村栄(73)、没。天文学者、第1回文化勲章を受章。
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9月26日
・「軽井沢町の大運動会。字垣〔一成〕大将に逢うために行ってみると、ちょうど近衛公一家が来た。一緒に見る。
宇垣大将と会見。外相当時の事を聞かんがためだ。非常に若々しい。目標もいい。国家を救うのはやはりこの人だろう。近衛は聡明だが勇気と迫力なく、他の軍人も駄目だ。
かれは果して立ち得る横会ありや。もっとも誰がやっても手遅れではあるが。」(清沢『暗黒日記』)
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9月26日
・「昭和十八年九月廿六日 {日曜日}陰。庭を掃く。終日家に在り。深更雨。

 こうろぎ
 泣いても 泣いても
 泣きたらで
 夜はよもすがら
 ひるさへも
 泣く音つゞくる
 蛼(こうろぎ)の
 その悲しみは
 知らねども
 あらんかぎりの
 悲しみを
 命のかぎり
 泣きすだく
 蛼の身の
 羨し。
 蛼よ。蛼よ。
 泣くに泣かれぬ
 かなしみに
 泣かぬ人ある
 人の世の
 わがかなしみを
 汝(なれ)知るや。
 われに教へよ。蛼よ。
 泣くに泣かれぬ
 かなしみを
 泣かで忘るゝ
 道あらば
 われに教へよ蛼よ。
 汝が泣く声に
 また今宵
 寐もせであかす
 人の世の
 わがくるしみを
 思へかし。」(永井荷風『断腸亭日乗』)
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9月26日
・ドイツ、ゲッペルス、「ドイツ国民のための三十の戦時服務規定」発表
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