Dot Com Lovers
(略)
しかし、今回のような社会の動きは、「低学歴層白人男性の反撃」だの「変化を求める民衆」だの「エスタブリッシュメントの拒絶」だのといった単純な説明で捉えきれるものでは到底ないだろうと思います。
そして、レイシズムやセクシズムが大きな要素であったことは間違いないにしても、「レイシズム」や「セクシズム」というのは、アフリカ系アメリカ人への差別やメキシコ移民の排斥や、女性が大統領になることの拒否といった形だけで表れるものではない。
アメリカ社会においては、「人種」「性」「階層」といったカテゴリーは、相互に作用しながら形成されてきているものですから、トランプを支持した人たちは「経済問題」を「人種問題」よりも「重視」して投票した、という説明ではとうてい不十分なのです。
曲がりなりにもアメリカ研究を本職としている人間としては、一見納得がいきそうな明確な説明の誘惑を極力退け、これまでよりさらに真剣に、丁寧に、じっくりと、考えていく覚悟をしています。
(略)
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