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“身内”もついに造反 日銀審議委も見放したアベノミクス
2014年3月20日 掲載
“身内”の日銀審議委員も離反
アベノミクスのインチキを挙げていけばキリがないが、ついに“身内”から“離反予備軍”が登場だ。日銀審議委員のひとりが、黒田日銀の異次元緩和に異議を唱えだしたのである。ハッタリがバレて、GDPの伸び率も物価上昇も思うようにならず、貿易収支の悪化がクローズアップされているアベノミクス。そりゃ、造反者が出るのは当然だ。
実は黒田日銀総裁の異次元緩和の雲行きは昨年10月あたりから怪しくなっていた。「2年間で物価上昇率2%を達成する」ことをうたった展望リポートに対し、3人の審議委員が反対したのだ。この時、勇ましかったのが野村証券出身の木内登英氏で、「(2%達成は)容易でもないし、適当でもない」と切り捨てた。
その木内氏が19日、大津市内で行われた講演でまたまた、“反旗”を翻したのである。
「物価目標の2%という水準は日本経済の実力をかなり上回っている」「将来的には再検討する余地がある」「おおむね1%か1%強くらいが実力に合った物価上昇ではないか」
目標に邁進することで、量的緩和が非常に長期化してしまったり、あるいは追加措置が取られることになり、副作用が非常に積み上がってしまう可能性がある」とバッサリ、「(量的緩和の)追加の副作用が追加の効果を上回るのであれば、そうした政策は妥当ではない」と切り捨てた。
安倍のブレーンである浜田宏一・内閣官房参与(エール大名誉教授)が14日、「日銀は日本国債買い入れペースを100兆円に倍増し、新規の長期国債の全てを買い入れることも可能」と言ったことに、猛反発したのである。
■マトモなエコノミストは付き合いきれない
さあ、こうした動きを専門家はどう見たか。RFSマネジメント・チーフエコノミストの田代秀敏氏はこう言った。
「木内さんの発言は経済合理性からいえば、極めて妥当です。日本はバブル期でも物価は2%も上昇していません。当時と違って人口が減っているのに、2%なんて無理ですよ。異次元緩和の黒田日銀は関東軍のようです。広大な中国を制圧することなんてできないのに、無理な目標を立てて後戻りできなくなったところが似ているのです。無理な目標を立てれば、そこに向かって努力することが自己目的化してしまう。しかも、長期国債を買えば買うほど、出口戦略ができなくなる。買うのをやめれば、国債が暴落してしまうからです。日本の将来を考えれば、直ちに異次元緩和をやめてほしい。これが木内さんの本音だと思うし、マトモなエコノミストであれば、誰もがそう考えているはずです」
木内氏だけでなく、日銀審議委員では白井さゆり氏、佐藤健裕氏も物価目標2%やそれに向けた異次元緩和に懐疑的だ。3人に共通するのは若いこと。木内氏、白井氏は1963年生まれ、佐藤氏は61年だ。あと何十年も生きるわけだから、さすがにゾッとしているのだろう。78歳の浜田の妄言に振り回されているアベノミクスの行く末が怖くなる。
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