2014年3月1日土曜日

露骨なメディア懐柔 消費増税かこつけ政府広報予算5割増 (ゲンダイネット)

ゲンダイネット
露骨なメディア懐柔 消費増税かこつけ政府広報予算5割増   
2014年2月27日 掲載

 これこそ消費税アップに伴う“便乗値上げ”ではないか。現在、国会で審議中の14年度予算案で、内閣府が「政府広報予算」を消費増税を理由に前年度の44億円から65億円と5割近くも増やしているのだ。

 14年度の政府広報予算案の内訳は、国内向けが前年度39億円から50億円に増えた。海外向けは5億円から15億円に一気に3倍増だ。内閣府は「政府一丸となった消費税転嫁対策の実施」という予算も計上し、こちらは7億円から24億円と、約3.5倍増である。

 それやこれやで政府の情報発信費用は52億円も積み増しされている。

 内閣府の政府広報室は「消費税率引き上げやアベノミクスなどについて、国民の理解をさらに深めるのが、大きな理由です」(担当者)と答えたが、過去20年をさかのぼっても、政府広報予算が前年度から10億円以上も増えるのは今回が初めてだ。「前回の消費税引き上げ時(3%→5%)の97年度は、前年度比12億円ほど予算は削減された」(同)というから、「なぜ、今回は増やすのか」と、ますますクビをひねらざるを得ない。

 消費税アップにかこつけた予算積み増しは、まるで火事場泥棒だ。しかも、政府広報予算の大半が新聞広告やテレビCMの形で、大手メディアの手に渡る。

 増税による景気の腰折れで時の政権がつまずく前に、先手を打ってメディアに「どうか、お手柔らかに」と言わんばかりの大盤振る舞い。政府広報予算の増加は、安倍政権のロコツなメディア懐柔策としか思えない。

「広告収入減が叫ばれて久しいメディアにすれば、ありがたい話です。この恩をアダで返すわけにはいかず、増税批判を控えるメディアも出てくるのでしょう。政権批判をカネの力でカキ消すような手口で、魂胆がミエミエ。安倍政権の右傾化に世界のメディアが総スカンの中、当事国の日本のマスコミだけが批判の声を上げない。そんな歪んだ構図がますます加速しそうです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 ちなみに政府広報室の担当者は「予算増がメディアの懐柔策? 何を指して、そうおっしゃるのか分かりません」と答えた。



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