《白い服の道化師》1901-02
明るく微笑みに満ちた子どもの肖像画はルノワールの作品によくみられる。
本作に描かれたのはルノワールの7歳の息子ジャンである。
少々大きすぎる衣装は、コメディア・デラルテの登場する道化師のものとされる。
幅の広いリズミカルなタッチによる、ハイライトの鮮やかな白色が、サテン生地のような艶のある質感を生み出している。
ピエール・オーギュスト・ルノワール
《座る浴女》1903-06
ルノワールは印象派の温かな色彩と軽やかなタッチで描きながら、存在感ある肉体を表そうとした。
健康的な浴女の姿は古典絵画の女神を思い起させる。
しかしすぐ隣にある鮮やかな帽子と衣装によって、彼女は同時代に生きる女性であることがわかる。
女性像と自然との融合を目指した晩年のルノワールの方向性が垣間見られる作品である。
ピエール・オーギュスト・ルノワール
《肘掛け椅子の女性》1874
近代の女性を明るい色彩と素早い筆致で描いた、印象派らしい肖像画である。
ルノワールは細部の正確さや緻密な描写よりも、デッサンのようにモデルの形状をとらえ、素早い筆致で表現することを意識していた。
ポーズをとるモデルに降り注ぐ光、そして白く輝く肌を効果的に描き出すことを重視したのである。
▼会場入ってすぐ、展示の最初にこのルノワールの3作品がある
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