2013年2月6日水曜日

亀井静香が吠えた「公共事業で潤うのはスーパーゼネコンだけだ」(サンデー毎日)

(略)
と言で言えば、小泉時代は日本を『弱肉強食』の社会・経済構造に変えてしまった。
だから安倍さんが今、公共事業にカネをボンボンつぎ込んでも、執行する段階でカネは東京に集まるだけ。
下にまで行きません。受け皿がなくなったからです。
地方の中堅ゼネコン、その下の中小零細企業がなくなっている。
私の地元(広島県)もそう。建設業者の数は3分の1になってしまった。
そして、細々とした地方の公共事業まで、中央のスーパーゼネコンが独占して潤っている。
昔以上に公共事業のカネが地元に落ちない。
まったく構造が変わっちゃった。

それと同時に、『優越的地位の乱用』や『不公正な取引』を禁じた独占禁止法なども、今や空文化しています。
大企業が下請け・孫請けの企業に対し、勝手な条件で仕事を発注しているという。
このままアベノミクスを実行したら、『弱肉強食』のうちの『強』の部分の利益が一層膨らんでいくだけ。
日本経済は成長しません。中間層から下も含めて、国民全体の所得が増え、そして、投資も増えるーーそういう構造にしない限り、デフレ解消にはなりませんね。

(略)

それに、株高・円安だといいますが、株は今、アベノミクスへの“期待値”で上がっているだけの話。
日銀も金融緩和するというけれど、カネはダブついている。
民間にカネがあふれているところに、ただカネを出してもダメ。
産業資金になっていくには投資や民需が増えなければならない。
それがないと、政府と日銀が二人三脚でやっても絵空事でしょう。

そうでなくても大企業は約300兆円とされる内部留保を持ち、金融機関からカネを借りなくてもいい状況です。
さらに、円安が進めばガソリンをはじめ原材料費や輸入品の価格が上がり、庶民の生活を圧迫します。
原材料費の値上がり分を超えてモノが売れるという成長の大きな網をかぶせなければ、とても耐えられない。
今の自民党の連中は、そういうことにまで目が届いていないね。

(略)

彼(麻生氏)のように『年寄りは早く死ね』みたいな感覚で社会を見ていてはダメだな。
社会の底辺が豊かになって中間層も多くなる、という視点を失った政策運営はダメ。
富裕層だけでは経済は伸びません。

(略)
~2013年2月5日発売のサンデー毎日2月17日号より

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