2015年4月21日火曜日

村山談話の「侵略・おわび」、首相「再度書く必要ない」 (朝日) / 「同じ言葉なら談話不要 コピーして渡せばいい」 首相、表現踏襲に否定的 (東京)

朝日新聞
村山談話の「侵略・おわび」、首相「再度書く必要ない」
2015年4月20日22時00分

安倍晋三首相は20日夜のBSフジの報道番組で、戦後70年の節目に出す「安倍談話」をめぐり、戦後50年の「村山談話」などにある「植民地支配と侵略」「心からのおわび」などの文言を使うかどうかについて、「同じことを入れるのであれば談話を出す必要はない」と述べた。

番組は生放送で、約50分間出演した。首相は村山談話や戦後60年の「小泉談話」について、「村山総理は村山総理として語られ、閣議決定した。小泉総理の時には村山総理の談話を下敷きにしているという感じはある」とした上で、「(同じものを出すなら)名前だけ書き換えればいいだけの話になる」と語った。

また、「(村山、小泉両談話の)基本的な考え方を継いでいくということはもう申し上げている」と言及。「引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はないだろうと思う」と強調した。

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)については、「まずしっかりとしたガバナンスがあるということ。そうしたものを見ていくことが大切だ」と指摘。「いわば悪い高利貸からお金を借りた企業は、その場しのぎではあっても未来を失ってしまう。そういうものになってはならない」とし、「前提条件が満たされるかどうか、慎重に考えていくのは当然。米国はもちろん、参加を表明しているG7の国々も基本的に同じ懸念を持っている」と語った。

21日からのインドネシア訪問にあわせ中国の習近平(シーチンピン)国家主席と首脳会談を行う可能性については「まだ何も決まっていないが、自然な形で機会が設けられるなら、お目にかかる用意はもちろんある。意思疎通していくことは、両国にとって必要ではないか」と意欲を示した。


東京新聞
「同じ言葉なら談話不要 コピーして渡せばいい」 首相、表現踏襲に否定的    
2015年4月21日 朝刊

安倍晋三首相は二十日のBS番組で、今夏に発表する予定の戦後七十年談話をめぐり、過去の植民地支配と侵略を謝罪した戦後五十年の村山富市首相談話の表現を引き継ぐかについて「歴史認識は(村山談話の)基本的な考え方を引き継いでいくと言っている以上、もう一度書く必要はない」と述べた。

首相は、七十年談話に村山談話のキーワードである「国策を誤り」「痛切な反省」などを使うか問われ「同じ言葉を入れるなら、談話を出す必要はない。(同じなら)名前だけ書き換えて、コピーして渡せばいい」と否定的な考えを示した。戦後六十年の小泉純一郎首相談話は村山談話をほぼ踏襲したが「小泉首相は村山談話を下敷きにした感はある。私の場合はそうではない」と強調した。首相は「首相の私としてどう考えるか、先の大戦への反省、戦後の歩み、平和貢献していく決意を発信したい」とも語った。

二十二、二十三日にジャカルタで開かれるアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の六十周年記念首脳会議で行う自らの演説では「第一回会議で日本は先の大戦の反省の上にアジアへの貢献、平和国家の歩みを誓った。その思いも話したい」と述べた。




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