2013年2月2日土曜日

陸前高田市、汚染牧草約80トン 震災がれきの選別場に一時保管が続く

読売新聞
汚染牧草一時保管続く・・・陸前高田市

◇焼却施設なく対応苦慮

 東京電力福島第一原発事故の影響で、国の基準値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を超す放射性セシウムが検出された牧草を巡り、一関市や平泉町、遠野市で焼却処分が始まり、2月からは宮古市でも試験焼却が実施される。一方、自前の焼却施設がない陸前高田市では、汚染牧草約80トンの処分の見通しが立たず、震災がれきの選別場に一時保管する状態が続いている。

 市によると、処分のめどが立っていない牧草は約80トン。同市小友町小友浦で、海から約500メートルほど離れた震災がれきの選別場に一時保管している。昨年4月、国の基準値が1キロ・グラム当たり300ベクレルから同100ベクレルに引き下げられたことに伴い、家畜に与えられなくなった2011年度分の牧草だという。

 市農林課によると、昨年11月から、市内の農家16軒が保管していた牧草を集めた。市の焼却施設は、5市町でつくる岩手沿岸南部広域環境組合で釜石市内にクリーンセンターを建設するのにあわせて、11年5月に廃止。このため独自に牧草を焼却処分できず、近隣の自治体による受け入れも決まっていないという。

 市では、人家から離れた場所として選別場での保管を決め、ポリエチレンで厳重に包み、シートをかぶせて保管している。

 県大船渡保健福祉環境センター環境衛生課は、「国の指定通りの保管方法をとっており、人体へ影響はないと思う」との見解を示している。市農林課は「長く置くつもりはない。保管に適した土地が見つかり次第、すぐに移したい」としているが、処分方法の見通しは立っていない。

(2013年2月1日  読売新聞)

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