2014年7月5日土曜日

憲法9条を米側に徹底して理解させる外交力の欠如。 それに懲りて軍事協力で補完しようとし、集団的自衛権行使容認を正当化するのは無理がある。(『朝日』経済気象台)     

 安倍政権は「武器輸出三原則」を緩和して、「防衛装備移転三原則」と改名、原則禁止だった武器輸出を条件付きで認めることにした。
武器を売らねば立ちゆかない日本経済ではないはずだ。

 集団的自衛権行使容認を推進した黒衣は元外務官僚ら、という。
安保法制懇の柳井俊二座長は湾岸戦争時に条約局長で、「日本はカネを出すだけで血を流さない」と米国から批判され、それが日本のトラウマになったと説明する。

 しかし、当時ニューヨークに住んでいた印象は逆だ。
超軍事大国を誇る米国が自力で戦費をまかなえず、日本に負担を求めた屈辱感がカウボーイ気質のアメリカ人のトラウマとなって「カネだけ」という発言につながったのだ。
日本を非難する以外に、米議会は米国民を納得させることができなかった。

 同じ時期、ニューヨークのホテルで晩餐会があった。
「なぜ日本はカネだけなのか」と質問する参会者に、ブッシュ(父)大統領が「日本は憲法で派兵は
できないのだ」と答えていた。
米国の良心を垣間見た気がした。

 憲法9条を米側に徹底して理解させる外交力の欠如。
それに懲りて軍事協力で補完しようとし、集団的自衛権行使容認を正当化するのは無理がある

 日本は紛れもない経済大国だ。
車やテレビなど日本の輸出品は、輸入国の人たちを豊かにしてきた。
だからよく売れ、貿易黒字も蓄積でき、それを途上国の経済援助に使うこともできた。
これこそ本当の積極的平和主義である。

 金持ちはとかくねたまれやすい。
しかし、「金持ちけんかせず」だ。
経済界はこれまでの日本の経済貢献が、国際的先進性を持っていることに自信を持つべきである。                                (昴)


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