毎日新聞
大阪市立小中学校:教頭10人足りない! 急きょ昇任試験
毎日新聞 2014年02月15日 05時45分
大阪市立の小中学校で来年度に教頭が約10人不足するとして、春の人事異動直前に、市教委が異例の昇任試験を実施することが分かった。早期退職や降任の希望者が予想以上に多かったうえ、公募による民間人校長の合格者20人のうち8人が辞退し、教頭などで急きょ補充する影響もあるという。試験は2月下旬から3月上旬に行う。通常は6〜7月に実施しており、年度末は初めてだ。
市教委は今月10日、教頭と指導主事の臨時募集を各校長に通知した。通知文では「年度末までの選考日程が限られ、最終面接のみの選考とする」と説明している。受験しやすくするため、応募者が現在勤務している学校の校長が希望すれば、合格時には同じ学校の教頭に昇任できるよう配慮する。さらに、今回の臨時選考でも欠員が埋まらない場合、教頭の代わりに教員2人を増員して対応することも検討している。
大阪市では2013年春にも市立小学校教頭の希望者が不足し、試験で不合格にした6人を追加合格させた。教頭は多忙な上に待遇が悪いとして敬遠され、希望者が年々減っている。このため市教委は、教頭の候補者を指名して受験を原則義務づける一方、筆記試験をやめるなど異例の確保策をとっていた。
こうした厳しい状況に追い打ちをかける形となったのが、橋下徹市長が主導した公募校長制度だ。13年春に民間から11人を採用したものの、問題が相次ぎ発覚。14年春に採用する公募校長については半分の35人を民間枠とする予定だったが、応募が前年の6分の1に激減して合格者は20人にとどまった。さらに、このうち8人が着任前に辞退し、今回の不足の一因になった。
市教委の関係者は「民間出身者を校長に多数登用する方針を打ち出したことも影響し、管理職になりたい教員が減っている。再募集をしないと教頭がいなくなり、切羽詰まっている」と明かし、ある校長も「教員出身の校長は不要と言われているようで、現場の意欲がそがれている」と訴えた。【山下貴史】
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