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集団的自衛権と内閣法制局ーー禁じ手を用いすぎではないか
南野森 | 九州大学法学部准教授
2014年2月7日 22時3分
以下は、雑誌「世界」(岩波書店発行)の2013年10月号に掲載された拙稿を、ほぼそのままに掲載するものです。集団的自衛権の行使容認に反対する人のみならず、むしろ行使を容認すべきであると考えている人にこそ、はたしてそのような重大な政策の変更を「解釈改憲」という手段で実現して良いものかどうかを考えるために、是非読んでいただきたいと思います。
(略)
安倍首相は、集団的自衛権行使のための憲法9条改正が現状では困難とみるや、憲法96条から先に変えようとした。それも評判が悪く想定した支持が得られないとなると、今度は解釈改憲を先行させようとしている。内閣の法律顧問団がそれに法的観点から抵抗するや、そのトップの首を、先例にも慣行にも反して「お友だち」にすげ替えることで強行突破しようとする。このように次々に禁じ手を用いて伝統を破毀しようとするのは、つくづく美しい国に相応しくない。壊し屋ではなく、真の保守政治家として歴史に名を残すためにも、正攻法での政策実現を目指すべきではないだろうか。
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