西日本新聞
非正規公務員の長期雇用常態化 九州59市町村、10年以上
2014年02月22日(最終更新 2014年02月22日 03時00分)
九州7県の59市町村で、本来は半年や1年の短期任用が原則の臨時・非常勤職員を、10年以上雇い続けていることが西日本新聞の取材で分かった。任用期限が来るたびに契約を繰り返し、同じ非正規職員を約30年雇い続けた自治体もあった。非正規は長年働いても退職金が支払われず、急な雇い止めで生活の糧を奪われることもあり、トラブルは後を絶たない。
総務省による全自治体の臨時・非常勤職員調査(2012年4月1日時点)で各自治体から同省へ提出された資料を、本紙が情報公開請求で入手し集計した。
それによると、調査は各自治体の事務補助や保育士、給食調理員、看護師、消費生活相談員、清掃作業員が対象。九州で非正規を20年以上雇い続けているのは、熊本県菊陽町のほか熊本市、佐賀県唐津市、大分県国東市、熊本県南小国町、熊本県荒尾市など11市町。保育士を29年雇っている同県菊陽町が最も長かった。
同じ人を雇い続ける理由として、自治体側は「新しく任用した人に業務を最初から教える余裕がない」(福岡県桂川町)と説明する。ただ、非正規の給与水準は正職員より大幅に低く、諸手当や休暇制度も整っていない。仕事内容が正職員とほぼ変わらなくても、退職金は支払われない。
専門家や労働組合からは待遇改善を求める声が相次いでおり、雇い止めされた長期の非正規職員が自治体に退職金を求めて提訴し、裁判所が支払いを命じるケースも出ている。
=2014/02/22付 西日本新聞朝刊=
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