2013年2月3日日曜日

昭和17年(1942)11月11日~14日 第4次ガダルカナル上陸作戦。 第3次ソロモン海戦。

江戸城(皇居)梅林坂 2013-01-30
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昭和17年(1942)
11月11日
・大田實少将、第8艦隊司令部付となる。
20日、新編第8連合特別陸戦隊司令官、任命。
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11月11日
・ドイツ軍、フランス全土を占領。連合国軍の北アフリカ上陸に対抗、地中海沿岸固め。
ドイツ・イタリア軍、フランス非占領地域(ヴィシー政府地区)およびコルシカに侵入・進駐、フランス全土に占領拡大(イタリア軍、コルシカ島とフランス南部海岸地帯を占領。)。
占領税は1日5億フランに増額され、軍隊も北西アフリカで米英軍と戦う部隊のみに限定。ヴィシー政権への信頼揺らぐ。
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11月12日
・中国国民党第5期10中全会、重慶で開催。
~27日。物価統制実施などを決定。
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11月12日
・ガダルカナル、歩兵第16連隊(堺部隊)正面に強圧を加えていた米軍、沖川河口付近に後退、続いて翌13日マタニカウ川まで後退。

米軍は、11月上旬頃迄に、海兵隊・陸軍部隊合せて歩兵6個連隊・砲兵2個連隊に増強され、10日からのコカンボナ方向攻撃には歩兵3個連隊砲兵3個大隊が使用されるが、歩4の抵抗に加え、5日伊東支隊がタサファロング上陸し、山地方面から左翼背後を衝きそうな形勢になり、その上、日本軍有力兵団が大船団で増援との情報に、第1海兵師団長は、伊東支隊の攻撃開始前に、作戦中止して周辺に撤収。
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11月12日
第4次ガダルカナル上陸作戦
第38師団、舞鶴第4特別陸戦隊1万3500人が上陸開始。支援艦隊、翌日まで米艦隊と交戦。
13日夜半、ガダルカナル島の2つの飛行場を艦砲射撃。
海戦は、15日まで断続するが、戦艦2隻による飛行場爆撃は目的を達成せず。

12日夜、阿部弘毅中将率いる第11戦隊(戦艦「比叡」「霧島」)を主力とする挺身部隊は、戦艦による再度のヘンダーソン飛行場攻撃の為、ガダルカナル島へ接近。
午後11時51分、砲撃戦開始、「比叡」の36cm主砲(三式弾)が軽巡「アトランタ」艦橋に命中、スコット少将戦死。乱戦の中、「比叡」は米軍の集中砲撃により操舵不能となる。
他に、駆逐艦「夕立」航行不能、駆逐艦「暁」撃沈。駆逐艦「村雨」「天津風」は北方へ待避。
米軍は、駆逐艦「カッシン」「ラフェイ」爆沈、駆逐艦「ステレット」中破、「オノバン」小破、重巡「サンフランシスコ」大破(キャラガン少将戦死)、重巡「ポートランド」大破、駆逐艦「アーロンワード」航行不能、駆逐艦「バートン」轟沈、駆逐艦「モンセン」廃艦。
翌13日午前0時30分、「霧島」は飛行場砲撃を断念し戦場離脱。
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11月14日
第3次ソロモン海戦
日本側、戦艦2・駆逐艦3、米側、重巡2・駆逐艦6、撃沈。
ガダルカナル奪回ほぼ不可能となる。

13日午前、前進部隊主流は、挺身攻撃隊「比叡」の被害を知り、前進部隊指揮官(第2艦隊司令長官近藤信竹中将)は、挺身攻撃隊に主流への合流を命じ、夕刻までに集結・補給を終える。
第2艦隊を基幹とするガ島攻撃隊を編成、ルンガ沖の敵水上兵力掃討と敵飛行場砲撃を企図。

14日夜、近藤信竹中将率いるガ島攻撃隊(戦艦「霧島」重巡「愛宕」「高雄」軽巡「長良」「川内」駆逐艦「雷」「五月雨」「朝雲」「白雪」「初雪」「照月」「浦波」「敷波」「綾波」)、ガダルカナル島に向かう。
午後8時31分、近藤中将は、米艦隊発見の報に、これを第3水雷戦隊司令官橋本信太郎少将の掃討隊(軽巡「川内」駆逐艦「浦波」「敷波」「綾波」)に任せ、自身は射撃隊を率い飛行場攻撃に向かう。
午後9時7分、近藤中将は、米艦隊の進路変更に伴い、第10戦隊司令官木村進少将指揮する軽巡「長良」駆逐艦「雷」「五月雨」「白雪」「初雪」を分派、掃討隊と共に米艦隊撃滅を命じる。
午後9時12分、米艦隊(戦艦「ワシントン」「サウスダコタ」)も日本艦隊を視認し砲撃開始。
駆逐艦「綾波」は、駆逐艦「ウォーク」に損害を与えるも、駆逐艦「ベンハム」「プレストン」が加わり反撃、午後9時半、航行不能に陥いる。
日本艦隊直営隊は、「綾波」と交戦中の「ウォーク」「ベンハム」「プレストン」に砲雷撃を集中し、ついで「サウスダコタ」に命中弾を浴びせる。

午後10時、近藤中将は敵戦艦2隻を認め距離6千から砲撃開始、同時に「愛宕」「高雄」が魚雷発射。「サウスダコタ」は上部構造物が大破炎上し戦場離脱。
一方、リー少将は、レーダー射撃で距離8千から40cm砲弾を「霧島」に次々命中させ7分で戦闘不能に陥れる。
この後、日本艦隊は戦線離脱を図りヘンダーソン飛行場砲撃を断念。
午後10時32分、日本軍阻止の目的を果たしリー少将も戦線離脱。
米艦隊は大半に被害を出すもヘンダーソン飛行場を守りきる。
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11月14日
・ガダルカナル、第38師団主力と軍需品11隻のうち4隻のみタサファロング到着(15日午前10時36分)。
揚陸開始するが、午前6時、敵機延べ30機来襲、午前8時、4隻とも火災。人員2千、糧秣1500俵(第17軍の4日分)
15日、砲撃により一部のみ揚陸。

第38師団主力と糧秣弾薬を搭載した輸送船は11隻。これを2分隊に区分し、第1分隊(長良丸、宏川丸、佐渡九、かんべら丸、邦吉丸)はタサファロングに、第2分隊(山月丸、山浦丸、鬼怒川丸、信濃丸、ぶりすべん丸、ありぞな丸)はエスベランスに揚陸予定。航路は、往航はソロモン諸島の中央航路、復航は北方航路と定める。輸送船護衛は、田中頼三海軍少将指揮2水戦(駆逐艦12隻)で、上空掩護は基地航空部隊。12日午前8時、輸送船団・護衛駆逐艦はショートランド発。一旦引き返し、13日午後3時30分、再出発。

第1次攻撃。14日午前5時55分、艦爆3機が船団を爆撃。被害なし。以降、延べ100機以上の攻撃を受ける。基地航空隊他が上空を零戦36機、零観14機で掩護。
午前7時8分に第2次攻撃。敵機2機、被害なし。
午前10時50分に第3次攻撃。B17-8機、雷撃機7機、艦爆17機の計40機。「かんべら丸」火災・沈没、「長良丸」浸水、傾斜、沈没、「佐渡丸」航行自由なし。駆逐艦2隻が救助にあたり「佐渡丸」を護りショートランドに戻る。
午後12時30分~50分の第4次攻撃。艦爆24機、B17-8機。「ぶりすべん丸」火災、沈没。
午後1時28分~第5次攻撃。B17-8機。32分、艦爆3機がこれに加わる。「信濃丸」「ありぞな丸」火災。駆逐艦2隻が救助。上空直掩機が敵艦爆3機を撃墜。

午後2時10分、第6次攻撃。艦爆3機。被害なし。
第7次攻撃。艦爆17機。「那古丸」火災。駆逐艦が救助。
午後3時30分、第8次攻撃。被害無し。

結果、輸送船6隻沈没、ショートランド戻り1隻。乗員4802人は救助するも、戦死450名。

この船団輸送を巡り、戦艦2(「霧島」「比叡」)、重巡「綾波」、駆逐艦3隻を喪失。輸送船5隻沈没。
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11月14日
・大本営陸軍部第2(作戦)課長服部卓四郎大佐、ガダルカナル戦況報告上奏。
結びに、
「ガダルカナル島ニ関スル限り、凡テノ条件カ今日迄ハ我ニ不利テアリマシタ。今後異常ノ覚悟卜努力ヲ以テ先ツ敵航空勢力ヲ制圧シ次イテ飽ク迄之力奪回ヲ策スへキモノト存シマス」。
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