2013年7月1日月曜日

アメリカのNSA(国家安全保障局)、EUでもスパイ活動、ドイツ国内で毎月5億件の個人情報収集、在米日本大使館を盗聴している、との報道。

NHK
米 独で毎月5億件の個人情報収集か
7月1日 4時15分

アメリカの情報機関が極秘に大量の個人情報を収集していた問題で、ドイツの週刊誌は、情報機関がドイツ国内で毎月およそ5億件に上る通話記録などの個人情報を収集していたと伝え、ドイツの検察当局が捜査に乗り出しました。

アメリカのNSA=国家安全保障局が極秘に大量の個人情報を収集していた問題で、ドイツの有力週刊誌「シュピーゲル」は、30日、NSAがドイツ国内で毎月およそ5億件に上る通話記録などの個人情報を収集していたと伝えました。
シュピーゲルによりますと、NSAが収集していたのは電話や電子メールなどの発信・受信者や発信場所といった情報で、この問題を告発したCIAの元職員、エドワード・スノーデン容疑者が保有するNSAの「極秘文書」から明らかになったとしています。
この極秘文書には、NSAがドイツに対して、中国やイラクなどへの監視態勢と同じような厳しい態勢を敷き、EU加盟国の中で最も多くの個人情報を収集していたと記されているということです。
こうした報道を受けて、ドイツの連邦検察庁は30日までに疑惑の解明のため、捜査に乗り出しました。
シュピーゲルは29日にもNSAがワシントンのEU代表部などに小型の盗聴器を仕掛けて会議を盗聴していたなどと伝えており、ドイツ国内でもアメリカ政府への批判が強まりそうです。



WSJ
米NSA、EUにもスパイ活動=独誌が報道

【ブリュッセル】米国家安全保障局(NSA)による情報監視問題で、ドイツ誌シュピーゲル(電子版)は30日、NSAが欧州連合(EU)の各機関に対しても情報収集のためのスパイ活動を行っていたと報じた。これを受け、欧州議会のマルティン・シュルツ議長は米国に対し「十分な説明」を要求した。

シュピーゲル誌は、NSAの情報監視活動を暴露した元中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者が入手した文書から得た情報として報じた。それによると、NSAはEUの駐ワシントン代表部に盗聴機を仕掛けたり、ニューヨークやワシントンにあるEU機関のコンピューターに侵入して情報を収集していたという。

この記事は、スノーデン氏への映像インタビューを行いインターネットで配信した米国のドキュメンタリー映画の制作者ローラ・ポイトラス氏が共同執筆した。ポイトラス氏は、スノーデン氏の暴露を基にNSAの監視プログラムについて報じた米ワシントン・ポスト紙の記事も共同執筆した。

EUの執行機関である欧州委員会は、同誌の報道を知っているとし、すでにワシントンとブリュッセルの米当局に対しこの問題を提起したことを明らかにした。同委のスポークスマンは「米政府はこの報道が正確かどうか調査し回答すると約束した。現段階ではそれ以上コメントしない」と述べた。

米国の元情報機関当局者によれば、こうしたスパイ活動に最も積極的な国の一つがフランス。このためNSAは、2006年に仏通信機器大手アルカテルと米国の同業ルーセントの統合について、フランスが米国の通信システムに対する途方もないアクセス手段を手にする恐れがあるとして、懸念を表明した経緯がある。NSAは最近では、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の米国での活動拡大についても、同様の問題を提起している。

シュルツ欧州議会議長は声明で、「米政府がEUの施設をスパイしたとの報道に衝撃を受け強い懸念を抱いている」とし、「報道が事実ならば、極めて憂慮すべき問題となり、EUと米国との関係に深刻な影響をもたらすだろう。米国に十分な説明を要求するとともに、米当局に対しさらなる情報を遅滞なく提供するよう求める」と述べた。

ドイツのザビーネ・ロイトホイザー=シュナーレンベルガー司法相は、「報道が事実ならば、冷戦時代の敵国のやり方を思い起こさせる。友邦である米国が欧州を敵とみなしているなどとは想像もできない」と指摘、「米国が欧州諸国を広範囲わたってスパイすることを許すわけにはいかない」と反発した。

シュピーゲル誌によれば、2010年9月のNSAの文書で駐ワシントンEU代表部が、盗聴されコンピューターネットワークへの侵入を受けたことが判明した。ニューヨークにあるEUの国連代表部も対象とされた。NSAはさらに、ブリュッセルでEU当局者間の会話を盗聴したり、EU理事会本部をスパイしたりしていた。NSAが友好国として監視の対象から実質的に除外しているのは、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドだけで、EU以外に30カ国が「第3国」として分類され、NSAは通信を傍受でき、しばしばそれを実施している。ドイツについては、毎年約50万件の電話やインターネットの情報を入手しているという。

NSAの活動に関する一連の報道を受け、EUのビビアン・レディング副委員長(司法・基本権担当)は、ホールダー米司法長官と共同で米政府の欧州におけるデータ収集について専門家パネルを設置して調査を進めている。



NHK
英紙「在米日本大使館も盗聴の対象」
7月1日 5時45分

アメリカの情報機関が極秘に大量の個人情報を収集していた問題で、イギリスの新聞は30日、アメリカにある日本大使館も盗聴などの対象とされていたことが明らかになったと伝えました。

イギリスの新聞、ガーディアンが30日伝えたところによりますと新たに明らかになった文書はアメリカのNSA=国家安全保障局が2010年に作成した極秘文書の一部とされています。
文書には首都ワシントンやニューヨークにある日本を含む38の外国大使館や代表部が盗聴などの対象として記されているということです。
対象国の中には日本のほかにもフランス、韓国、インドなどが含まれていたということです。

毎日JP
米国家安全保障局:日本大使館など盗聴 英紙報道
毎日新聞 2013年07月01日 11時24分(最終更新 07月01日 11時30分)

【ロンドン小倉孝保】英紙ガーディアン(電子版)は30日、米国家安全保障局(NSA)が米国内の日本や韓国など同盟国を含む計38の大使館や国連代表部の通信を傍受していたと報じた。NSAによる一連の通信傍受問題で日本の外交施設が盗聴対象になっていたことが明らかになったのは初めて。

NSAによる広範な個人情報収集活動を暴露し米司法当局に訴追されている元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者(30)の資料を基に同紙が報じた。

2010年9月の文書によると、NSAは日本、韓国、欧州連合(EU)、インド、メキシコ、トルコ、フランス、イタリア、ギリシャや中東諸国の在ワシントンの大使館や国連代表部(ニューヨーク)の通信を傍受していた。文書では、こうした盗聴対象国を「ターゲット(標的)」と表現していた。

電子通信機器に盗聴器を仕掛け、それをケーブルを使って特殊なアンテナにつなぐ方法で通信内容を傍受していた。主に電話が盗聴されていたとみられるが、盗聴の具体的時期や内容は不明。NSAが在ワシントンEU代表部を盗聴したのは、地球規模の問題に対するEU加盟国間の意見の違いを把握するためとみられる。日本の盗聴目的は不明だ。

同紙はこれまで、元職員の情報を基に、NSAなどが米インターネット大手9社のサーバーに入って電子メールなどを監視していたことや、英国の通信傍受機関「政府通信本部(GCHQ)」が2009年の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で外交団の通信情報を傍受していたことを報じている。

【ことば】米国家安全保障局(NSA)

国家情報長官を頂点とした米国の情報組織を構成する16機関の一つ。中央情報局(CIA)と並ぶ秘密情報機関で、「シギント」と呼ばれる通信傍受による情報収集・分析、暗号解読などを担当。スーパーコンピューターや特殊なキーワード検索ソフトを使い、テロ計画の有無などを調査している。1952年設立、本部は米東部メリーランド州。米英などが運営する世界的通信傍受システム「エシュロン」の運営主体ともいわれる。







0 件のコメント: