千葉日報
「問題は外交で解決を」 金子自民県連元幹事長ら警鐘 県内学生が戦争と9条学ぶ講演会 市川
2014年07月6日 10:18
集団的自衛権の行使を認める閣議決定を受けて戦争と憲法9条について学ぼうと、千葉県内の大学生らでつくる千葉大九条の会と県学生九条の会は5日、市川市内で講演会を開いた。自民党千葉県連元幹事長の金子和夫さん(88)と東京大学大学院教授で九条の会事務局長の小森陽一さん(61)が対談した。
金子さんは16歳で志願兵としてニューギニア戦線へ派遣された戦争体験について「戦地では死んだ外国人兵士を共食いしなければ生きていけないほどの悲惨な状況だった」と振り返り「戦争だけは避けなければならない。問題は外交で解決すべきだ」とくぎを刺した。
その上で、集団的自衛権の行使を認める閣議決定をした安倍政権を太平洋戦争を始めた東条英機内閣と比較し「安倍政権は首相に反対する人がいない点で、東条内閣よりも危険だ」と警鐘を鳴らした。
小森教授は集団的自衛権について、ベトナム戦争やイラク戦争を例に挙げ「他国の戦争を買って出ることであり、侵略戦争を正当化するためにしか使われてこなかった。そういうことに若い人を巻き込むことになる」と指摘。「閣議決定を受け、これから国会で一つ一つ法律が変えられてしまうので、みなさんが草の根で反対の声を挙げていかなければならない」とげきを飛ばした。
北朝鮮をめぐる東アジアの緊張関係についても言及し「自衛隊60周年の節目に集団的自衛権を認めた理由は歴史をつなげば分かる。朝鮮戦争の中で日本の再軍備が進み、休戦中になっている。今大事なことは6カ国協議を再開して朝鮮戦争を終わらせることだ」と持論を展開した。
参加した千葉大医学部5年の小林哲之さん(22)は「集団的自衛権を認めても日本が戦争に行くことはないという安倍政権の主張は、歴史を振り返ると説得力に欠ける。アメリカのように貧しい人が戦争に行かざるを得ず、戦争でPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる状況を防がなければならない」と話していた。
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