2014年4月24日木曜日

1780年(安永9)1月~8月 ザルツブルクでのモーツアルトの最後の年 【モーツアルト24歳】

江戸城(皇居)東御苑 2014-04-23
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1780年(安永9)
この年
・幕命により印旛郡総深新田名主平左衛門・島田村名主次郎兵衛連署による印旛沼開墾目論見書幕府提出。
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・鉄座・真鍮座を設ける。
金銀銅以外の鉄・真鍮についても専売とする。
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・ゲーテ(31)、若い学者と共に地質学研究や鉱山調査を行なう。
戯曲「トルクワト・タッソー」を起稿。
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1月
・フランス、ラファイエット将軍、援軍を要請するため帰国
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・1月~3月、モーツアルト(24)、ザルツブルク大司教のために「教会ソナタ(第7番)ヘ長調」(K.224(241a))、「同(第8番)イ長調」(K.225(241b))作曲。
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1月1日
・プロイセン、アルノルト訴訟事件。
フリードリヒ大王は大権公使、関係判事罷免・禁固1年、アルノルトの損害賠償勅令。
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1月16日
・セントヴィンセント沖の海戦。勝利したロドニーは西インド諸島へ。
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2月4日
・フランス、ロラン夫人(25)、ピカルディー地方アミアンの工業監督官ロラン・ド・ラ・プラチエール(45)と結婚。
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3月
・モーツアルト、「ミサ・ソレムニス ハ長調」(K.337)作曲。
この年の復活祭前の日曜日(枝の祝日、1780年は3月19日)のためのもの思われる。
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3月1日
・ペンシルヴァニア議会、奴隷の漸次的解放採択。
アメリカ北部諸州、あいついで奴隷制廃止宣言。
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3月9日
・大野藩でまたも大火。同4年ほどではないが、「未年・子年火災引続」きと併称されるほどの大火。
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3月10日
・[露暦2月28日]エカチェリーナ2世(51)、全欧州に米独立戦争での対英武装中立同盟を呼びかける。
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3月18日
・モーツアルトの姉ナンネルルの日記帳は3月18日以前は消失しており、現存する3月18日の日記は、弟が代筆し、冗談に溢れたものになっている。

「十八日。二回目の腸詰め音楽会 - 
〔一〕ジンフォニー(すなわちハフナー音楽)。
〔二〕イタリア語のイタリア・アリア。シュミット夫人がふるえ声で歌う。
〔三〕サリエーリ氏の三声の三重奏曲。ベーム夫人、小部屋(カンメルル)氏、それに西洋実桜(ヴァイスクラー)氏によって歌われる。
〔四〕協奏曲のためのフィアーラ。チェロ氏作曲ならびに演奏。
〔五〕オーボエ一本と独奏ハープを伴うグレトリー氏のアリア。フィアーラ氏の独唱、ベーム夫人のオーボエ、それにハープ夫人のムルシュハウスナー。
〔六〕私の作になるトランペット、ティンパニ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、ファゴット、それにバスによるアリア。
〔七〕アンフォッシの『追われる見知らぬ女』から第一幕のフィナーレ。
〔八〕重ね重ねの所望によってぼくたちはチェッカレッリを歌わせた。小ロンド一曲。
〔九〕最後にぼくたちは『ミラノ市こぞって』をトランメットとシンパニーで演奏した。」

・「腸詰め音楽会」
・シュミット夫人の小節をきかせた歌いぶり
・「イタリア語のイタリア・アリア」「三声の三重唱曲」は類語反復
・「小部屋氏」はベーム一座の役者の一人フィンメルル(小部屋の意味)、「西洋実桜氏」もケルシャーというベーム一座の座員を「キルシュ=さくらんぼ」にかけ、その品種の一つ「ヴァイクセル=西洋実桜」に変えた
・〔四〕は正式にはチェロのための協奏曲、フィァーラ氏作曲・演奏
・〔五〕のグレトリーのアリアの独唱者はベーム夫人、オーボエはフィアーラ、ハープはベーム一座の俳優でテノールのムルシュハウザー
などなど
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4月
・フランス、ラファイエット、国王竜騎兵連隊(後の第18竜騎兵連隊)を買い取り、80年4月に再び渡米。
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・イギリス、のちのネルソン提督、フリゲート艦ジェイナス号指揮。体調不良で帰国。
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4月24日
・この日付、モーツァルトのベーズレ宛て手紙。
話題は3月にザルツブルクを去ってアウクスブルクに向かったベーム一座のこと。
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5月1日
・アウグスブルク、ベーム一座、モーツアルト「偽りの女庭師」をドイツ語で上演。
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5月4日
・フランスのテルネー艦隊(兵6千)、北米へ向かって出港(アメリカ派遣軍司令官ロシャンボー、副官フェルゼン)。
夏、ボストン南のニューポートに上陸。
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5月7日
・スペイン、ゴヤ、アカデミー会員となる
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5月10日
・フランス、タレーラン、僧門総代表となる。
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5月11日
・スペイン、マドリード、米独立戦争に関わるスペイン・米交渉開始
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5月12日
・米、独立戦争。
イギリス軍(ハウの後任アメリカ駐留軍総司令官クリントン将軍)、海上砲撃によりチャールストンを攻略。独立軍、独立戦争を通じて最大の敗北。
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5月14日
・(聖霊降臨の大祝日)、パリのコンセール・スピリチュエルでモーツアルト「パリ・シンフォニー」上演
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5月19日
・幕府、江戸城の出火に備えて詰める城番役を創始。
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5月24日
・プファルツ選帝侯宮廷楽団のヴァルトホルン奏者ゲオルク・エックと息子ヨハン・フリードリヒ(ヴァイオリンの名手、13歳、1766~1810)がザルツブルクのモーツアルト家を訪問。
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5月29日
・米、独立戦争、ワックスホーの戦い。タールトンの騎兵による虐殺。
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6月
・墺ヨーゼフ2世、露エカチェリーナ2世訪問
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6月1日
・フランス、プチ・トリアノン離宮の「小劇場」(ミック設計)が披露される。
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6月2日
・イギリス、ロンドン、ゴードン暴動
この年、アイルランドで、フランスの攻撃に備えて召集された「志願兵」が、アメリカの「反乱者」の例に倣って「自由」を要求。
ロンドンでは、議会でジョン・ジェブが急進派のプログラム(男子普通選挙、秘密投票、議会の毎年の改選、選挙区の人口の平等化、議員数を選挙人数に比例させること、庶民院における被選挙人資格の廃止)を提出。

初め、ロンドンで、ジョージ・ゴードン卿は、アイルランドのカトリックに認められた政治的諸権利に反対する請願を庶民院に提出しようとするが、そのデモは貧民の革命的蜂起に転化。
1週間にわたる蜂起で、建物36棟が放火され、牢獄が襲われて囚人が解放される。
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7月
・フランス軍がニューポートに上陸
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8月
・モーツアルト、「証聖者の盛儀晩課(ヴェスペレ) ハ長調」(K.339)作曲。
夏、「行進曲ニ長調」(K.445(320c))作曲。

・従来、1778年夏にパリで作曲されたと考えられていたクラヴィーアのためのソナタ、ハ長調(K330=K300h)、イ長調(K331=K300i)、〔いわゆる『トルコ行進曲付き』〕、およびへ長調(K332=K300k)は、最近の自筆譜研究によって、ケッヒェルが指定した1799年よりもさらに後年、はやくても1780年夏(モーツァルトの最後のザルツブルク時代、あるいは、さらに後年のヴィーン時代の1783年に生み出されたものとされるにいたっている。
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8月1日
・フランス、プチ・トリアノン離宮の小劇場において「国王と農夫」「思いがけない掛け金」上演。
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8月3日
・フランス、エティエンヌ・コンディヤック(65)、没
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8月16日
・米、独立戦争、サウスカロライナのキャムデンの戦い。
コーンウォリス将軍、ホレイショ・ゲーツの独立軍を破る。
クリントンは南方軍指揮をコーンウォリスに任せ、主要基地ニューヨークに戻る。
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8月24日
・フランス、ルイ16世、ネッケルの勧告により拷問廃止・刑務所改革を言明
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8月29日
・モーツアルト、「交響曲(第34番)ハ長調」(K.338)作曲。ザルツブルクで作曲した最後の交響曲。
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