2014年6月1日日曜日

昭和18年(1943)4月1日~10日 「い号作戦」終結(実質的は作戦失敗) 第1次アキャブ作戦(インディン包囲) 東條陸相「軍内外ノ現況ヲ察スルニ軍紀上惡質事犯漸增ノ兆シアルハ」(軍の秩序確立を訓示)      

八重のドクダミ 2014-05-31
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昭和18年(1943)
4月
この月
・小林秀雄(41)、『定本国民座右銘』(日本文学報国会)の審査委員になる
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・女子勤労動員促進要綱、閣議決定
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・丹羽文雄「報道班員の手記」発禁、谷崎潤一郎「細雪」の中央公論掲載中止
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・八木義徳『劉広福』(「日本文学者」) /武田泰淳『司馬遷』/亀井勝一郎『大和古寺風物誌』
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・陸軍、川崎航空機に高高度戦闘機の開発を命じる
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・紅系、白系の交互上映制度実施。また平日は昼夜2回の上映に制限。
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・財団法人大日本映画教育会が結成。
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・布施辰治3男杜生(30、電気新聞記者)、再度検挙、京都の未決監収容。
昭和19年2月4日病死。
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・フランス、労働総同盟再建
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・ドイツ、国防軍総司令部外国・防諜局参謀長オースター少将ら逮捕・監禁
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・ドイツ、国防省防諜局ハンス・フォン・ドナーニイのグループ逮捕
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・イギリス『ミンスミート(細切れ肉)』作戦(スペイン沖において潜水艦から死体を流し、チェニス陥落後の攻撃目標を誤認させる作戦) 
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4月1日
・ソロモン、ニューギニア方面制圧を目的とした「い号作戦」発動
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4月1日
・3月27日公布の樺太庁官制改正施行。樺太内地に編入。樺太庁はそのまま。
樺太庁の鉄道・自動車関係局を鉄道省に移管。
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4月1日
・南方占領地軍票の新規発行が停止。南方開発銀行券(南発券)発行開始。
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4月1日
・陪審法停止
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4月1日
・中学校、修業年限1年短縮して4年となり国定教科書とする
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4月1日
・ヨーロッパ侵攻作戦立案開始
イギリス・カナダ軍が北方、アメリカ海軍が南方を担当
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4月3日
・中国共産党の中央が、党内の反革命分子摘発を呼びかける
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4月3日
・連合艦隊指令長官山本五十六一行、トラック島の「武蔵」からラバウルに到着。草鹿任一、小沢治三郎、三川軍一ら各艦隊長官が出迎え。第8方面軍司令官今村均中将も挨拶に来る。
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4月4日
・軍票の新規発行廃止
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4月4日
・アメリカ第12空軍のB-17、イタリア本土、ナポリを空襲
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4月5日
・第1次アキャブ作戦、第55師団棚橋支隊、インディン包囲、夜襲。
第6英印旅団長キャベンディッシュ准将捕虜、死亡。

(経緯)
3日、棚橋大佐と第112連隊本部、ベンガル湾のインディン西北方海岸に達す。
インディンは、三方を山に囲まれ、西の海側に開く、南北1km・東西500mの狭い平地にあり、周囲の山にはトーチカや壕があり英兵が守備。
4日、棚橋支隊長は、第112連隊第2大隊を海岸方面からインディン部落へ向け、第1大隊をインディン東側高地に進めて、包囲の輪を縮め、5日夜を期して、夜襲攻撃により英軍殲滅を命令。
5日午後11時、第1大隊が前衛、第2大隊が左側衛となり、第1大隊は北、中、南の高地に向かう。
英軍は、棚橋支隊の山を越えての接近を全く知らず、ひとたび日本軍を発見するや、高地一帯の陣地から曳光弾が飛び、機関銃乱射が始る。
その時には、日本兵は壕に飛び込み、銃剣で突きまくる。
捕虜殺害、投降前の兵士殺害など。
英軍の逆襲があり、キャベンディッシュ准将はこの混乱の中で死亡したとされる。
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4月5日
・神戸に碇泊中のドイツ仮装巡洋艦「ミッヘル」、太平洋で対米通商破壊戦に従事する旨、海軍に通告。
参謀本部は、「独逸の敢為性には驚嘆の他なし。仮装巡洋艦を以て単艦敵地に入る。帝国海軍の顔色ありや」(「機密戦争日誌」4月5日)と感心。
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4月5日
・日窒化学工業創立。旭ベンベルグ絹糸と日窒火薬が合併。
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4月5日
・空襲により、ルール上空の戦い開始
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4月7日
・「い号作戦」。フロリダ島沖海戦。
ツラギ港の米艦隊と日本軍ラバウル航空兵力とが交戦、駆逐艦1他を撃沈及び大破するが50機失う。
16日、山本五十六連合艦隊司令長官、米軍の進出が止まった為「い号作戦」終結を命令。

(経緯)
日本軍のガダルカナル島撤退後、米軍のニューギニア・ソロモン方面への圧力が強まり、連合艦隊司令長官山本五十六大将はこれを打開すべく、「い号作戦」を発動。
これは、草鹿任一中将の第11航空艦隊と小沢治三郎中将の第3艦隊が保有する作戦機をラバウル周辺の基地に集結し、その全航空兵力でソロモン・ニューギニア方面の連合軍を撃破しようというもの。
作戦は、4月7、11、12、14日に実施。
延486機の戦闘機、114機の艦上爆撃機、80機の陸上攻撃機が参加。
戦果は駆逐艦1隻・その他の艦4隻・基地機25機。日本軍損失は43機。
実質的に作戦は失敗。
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4月7日
・「島根県史」、図書館での閲覧禁止
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4月7日
・連合軍、独・伊軍をチュニジアの北部に包囲。(5月13日、独・伊軍降伏)。
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4月7日
・ヒトラー、ムッソリーニ、ザルツブルクで会談
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4月8日
・北支那特別警備隊臨時特別情報隊を大同、潞(ろ)安に設置
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4月8日
・内務省・厚生省、「健民運動組織要綱」通牒、8月には健民修練所開設、筋骨薄弱者・結核要注意青少年収容
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4月8日
・東京での防衛総司令官、軍司令官等会同。
東條陸軍大臣、軍の秩序確立だけを内容とする異例の訓示。
「・・・軍内外ノ現況ヲ察スルニ軍紀上惡質事犯漸增ノ兆シアルハ洵ニ深憂ニ堪ヘザルトコロニシテ、戰局ノ彌久擴大ニ伴ヒ此等事犯醞釀ノ素因ハ今後漸ク其ノ多キヲ加ヘントス。今ニシテ拔本塞源之ガ芟除ヲ圖ルコトナクンバ軍紀弛緩スル所軍秩紊亂シ精得テ望ムベカラズ」。
前年10月、廣水鎭事件。12月27日、舘陶事件。
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4月9日
・北海守備隊第一地区隊、キスカ島に上陸。
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4月9日
・英海軍、ファンドク峠を占領
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4月10日
・港湾基地に守られたイタリア重巡「トリエステ」、B-17の空爆で撃沈
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