日刊スポーツ
仁左衛門「船乗り込み」で橋下氏に物申す
大阪の夏の風物詩となっている「船乗り込み」が29日、大阪市内で行われた。
「七月大歌舞伎」(7月3日から27日・大阪松竹座)に出演する歌舞伎役者の坂田藤十郎(82)片岡仁左衛門(70)尾上菊之助(36)らが、大阪城近くの八軒家浜から松竹座近くの戎橋まで舟で移動。東西の人気役者が顔をそろえ、なにわの初夏を彩った。
舟に乗り込む前後には、出演者を紹介する口上や大阪府市の関係者、役者があいさつ。大阪府生まれの仁左衛門は、地元の文化振興に思うところがあるようで、この日文書で祝辞を寄せた橋下徹大阪市長に対し「ちょっと腹が立つことがあるので言わせてもらいます」と物申す場面もあった。「口だけでなく本当に文化を愛するなら、もう少し文楽の方にもお力をお貸し下さい。大阪の文化のためにもお願いしたいと思います。皆様のご理解もいります」と呼びかけ、集まった歌舞伎ファンから拍手喝采を浴びていた。
橋下氏は補助金見直しを推し進め、今年1月に国立文楽劇場の目標入場者数が達成できなかったことから、補助金が減額されていた。
松竹座近くには、約2000人の観客が、豪華な顔ぶれの役者陣を見ようと集まった。昨年11月に長男和史(かずふみ)くんが誕生し、5月末に結婚披露宴を行った菊之助には「おめでとう!」と声がかけられた。笑顔で「ありがとうございます」と応じた菊之助は「仁左衛門のお兄さんの大阪復帰の舞台にご一緒できてうれしい限り」。右肩腱板(けんばん)断裂の手術から今月の歌舞伎座公演で復帰した仁左衛門を気遣った。
[2014年6月29日18時44分]
0 件のコメント:
コメントを投稿