いま在る
あなたの如く 私の如く
やすらかに 美しく 油断していた。
石垣りん
広島に原爆が投下された「午前八時一五分は/毎朝やってくる」と、詩人は詩「挨拶」(1952年)に記す。
核の装備があちこちでなされ、地球は「生と死のきわどい淵」にあるのに、一瞬にしてあまたの命を奪ったあの日の記憶は遠のき、人は平和に安らう。
かつてその健やかな微睡(まどろみ)みのすきをついて戦禍が始まったことを忘れまじと。
(折々のことば 鷲田清一 「朝日新聞」2018-11-11)
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