2013年2月2日土曜日

復興事業、暴力団の資金源か 幹部、収入1000万円以上?

河北新報
復興事業、暴力団の資金源か 幹部、収入1000万円以上?

 宮城県の仮設住宅建設現場や福島県の放射性物質除染作業現場に不正に労働者を派遣したとして、指定暴力団系幹部、無職荒井好憲被告(40)=山形県東根市中央2丁目、労働者派遣法違反罪で起訴=が摘発された事件で、荒井被告が一連の違法派遣で得た収入が、1000万円以上に上るとみられることが1日、山形県警の調べで分かった。県警は、復興事業が暴力団の資金源になっていたとみて警戒を強めている。

 捜査関係者によると、荒井被告は、2011年4月下旬から昨年3月ごろまで、山形県内の板金会社に暴力団関係者ら10人程度を派遣し、宮城県亘理町の仮設住宅建設現場などで、同法が禁止している建設業務に従事させた。日当の3分の1程度を得ていたとされ、2011年のピーク時には1カ月で約100万円を得ていたとみられる。

 昨年11月ごろからは、山形県内の土木会社に無許可で数人を派遣し、福島県伊達市保原町の放射能除染作業に従事させた。「除染作業はもうかると思った」と話しており、復興事業に、広く目を付けていたとみられる。

 板金会社と土木会社の作業はどちらも下請けだった。ある県警幹部は「下請けになるほど、一人一人の身元を細かく確認するのは難しいのでは。除染作業は人が足りず、今後も同じことが起こる可能性がある」と話している。

2013年02月02日土曜日


山形新聞
除染作業に無許可派遣 暴力団幹部、再逮捕へ・県警
2013年01月31日 09:16

 東日本大震災の復興関連の建設業務に人材を派遣したとして逮捕、起訴された東根市の暴力団幹部が、東京電力福島第1原発事故に伴う除染作業に無許可で作業員を派遣していたことが30日、関係者への取材で分かった。県警はこの暴力団幹部を労働者派遣法違反(無許可営業)容疑で31日にも再逮捕する方針。

 再逮捕されるのは、指定暴力団住吉会系幹部組員の東根市中央2丁目、無職荒井好憲容疑者(40)=同罪(禁止業務への派遣)で起訴。

 関係者によると、荒井容疑者は人材派遣業の免許がないのに、作業員3人を山形県内の土木業者に派遣した疑い。作業員3人は福島県内の原発から30キロ以上離れた地域で除染に従事。除草などの作業をしていたとみられる。

 荒井容疑者は今月9日、県警組織犯罪対策課と村山署に、法律で認められていない建設作業員の派遣をし、仮設住宅の建設現場などで働かせたとして、労働者派遣法違反容疑で逮捕された。県警は震災直後から、被災地に近い本県で復興ビジネスへの暴力団参入を警戒していた。

 荒井容疑者は山形市に拠点を置く同会系団体の幹部。県警は被災地の仮設住宅建設のほか、原発除染作業でも利益を上げ、上部団体への上納金などにしていたとみている。


読売新聞
「除染もうかる」違法派遣容疑で組長を逮捕

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染作業で、国の許可を得ずに作業員を派遣したとして、山形県警は31日、労働者派遣法違反(無許可派遣)の疑いで同県東根市中央、指定暴力団住吉会系組長荒井好憲被告(40)(別の同法違反で起訴)を再逮捕した。

 発表によると、荒井被告は昨年11月22日~30日、人材派遣に関する厚生労働省の許可を得ずに、経営実態のない会社で雇用した男性作業員3人を同県内の建設土木会社に派遣。福島県伊達市内で草むしりなどの除染作業をさせた疑い。荒井被告は調べに対し、「除染作業は日当が高く、もうかると思った」などと供述しているという。

 捜査関係者らによると、荒井被告と作業員3人は知人。3人の日当1万5000~1万7000円のうち、荒井被告が3分の1程度を受け取り、一部を暴力団組織に上納していた可能性が高いという。荒井被告は派遣先の会社に対し、昨年12月~今年1月にも作業員約10人を派遣していたという。

(2013年1月31日12時18分  読売新聞)

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