2013年7月19日金曜日

事故で廃炉のアメリカのサンオノフレ原発 三菱重工に138億円超の賠償請求

朝日新聞     2013年7月19日13時37分
三菱重工に138億円超の賠償請求 事故で廃炉の米原発

 【ロサンゼルス=藤えりか】放射性物質が漏れ出す事故を起こして廃炉が決まった米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発について、事故原因となった蒸気発生器を設計・製造した三菱重工業への損害賠償請求額が、契約上の上限約1億3700万ドル(約138億円)を上回る見通しとなった。

 原発を運営する南カリフォルニア・エジソン社が18日、三菱重工に賠償請求の文書を送った、と発表した。責任額は契約に明記された上限を超えないとする三菱重工に対し、エジソン社は「欠陥があまりにも基本的かつ広範な場合、責任上限は無効」と主張した。

 エジソン社の主張では、三菱重工が20年の稼働を保証したにもかかわらず、稼働開始から1年も経たずに設計ミスで摩耗を招き、放射性物質漏れを引き起こしたうえ、契約上義務づけられた修理や調査も怠ったとしている。エジソン社や利用者が被った損害の全額について、「必ず三菱重工が責任を取る」ことを求めている。

 サンオノフレ原発は昨年1月31日、3号機の蒸気発生器の配管から水が漏れ、微量の放射性物質も出て緊急停止した。定期点検中の2号機でも配管摩耗が見つかり、米原子力規制委員会(NRC)はすべての稼働を禁止。エジソン社は今年6月に廃炉を決めた。

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 三菱重工業は19日、南カリフォルニア・エジソン社から賠償を求める文書を受け取ったことを受けて、「エジソン社の主張や要求は、交渉の経緯、契約履行の事実を正確に反映していない不適切な内容で、根拠のないものだ」とするコメントを発表した。

 今後の両社間の紛争解決手続きでも、エジソン社の主張や要求が不当だと主張し、「必要な対抗措置を取ることも検討していく」としている。「当社の責任上限は約1億3700万ドル。現時点で業績への影響はないと考えている」との考えも重ねて強調しており、双方の主張の隔たりは大きい。

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